ビジュアルブック2014 その4 | caqu-caqu日記

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おじいちゃん、おばあちゃんのタンスを覗くと、昔の洋服って本当によくできているし、いいもの持ってるなぁ、と思った事はありませんか?
サキュウは、自分の子供や孫から同じように感じてもらえるような洋服作りを目指して、日々がんばっています。

第4弾はこちら「ミリタリートレンチver.2」でございます。



商品説明の前に、トレンチコートの起源からお話ししましょう。
現代では老若男女問わずすっかり定着したトレンチコートですが、
元々は、第一次大戦の頃の軍服です。
トレンチとは日本語で塹壕(ざんごう)。
塹壕とは地上で敵と相対峙する時、敵弾を避けるために掘った穴や
溝の事で、ここで着用されたレインコートがトレンチコートです。

トレンチ(wikiより拝借)

そう、トレンチコートはナイロンなどの化学繊維がない時代、
コットンやウールを高密度に織り上げて防水性を高めた生地で
作った雨カッパだったのです。

高密度に織り上げるには、織機にも相当なパワーが必要ですし、
糸の太さが均一でなければ隙間が空いてしまいます。
これを作るのは、当時の機械精度からすれば限られたメーカーしか
持っていない高い技術でした。

仕立て方も既製品(レディメード)が当たり前な現在と違い、
当時は軍指定のいくつかの仕立屋で各自で仕立ててくるオーダー
メイドが普通でした。

自分の命を守る大切なウェアですから、動きやすさや機能性は
仕立屋選びの上で非常に重要で、仕立屋同士の競争も激化して、
ディテールはどんどん機能が盛られるようになっていきました。

そんな時代のトレンチコートを忠実に再現したのが、サキュウの

トレンチコートで、様々なディテールがてんこ盛りとなっています。

例えば、右肩の生地が2重になった部分。
ここは何のためにあるのかご存知ですか?


一般的には銃の台座で痛みやすいから二重になっていると解釈
されている場合が多いですが、これがレインウェアだと知っていれば
答えは簡単です。


こう着て水の浸入を押さえるように雨ブタになっています。
なので、この雨ブタが左右逆に付いていたり、縫い叩いていたりする
ものは、この機能を知らないデザイナーが作っているのかも
しれません。

防水性を高めたければ、さらにチン(のど)ガードを閉じます。


ちなみに、袖はラグランスリーブ。
現在は通常の袖(セットイン)が主流ですが、当時は動きやすい
ラグランスリーブが主流でした。


ポケットの作りも凝りに凝っています。


脇ポケットの内側に付いている・・・・


ボタンを外すと・・・・


手が裏面に貫通します。
これもレインウエア前提で考えればわかる事で、雨ですから
前のボタンもベルトもきっちり締めています。
ズボンのポケットにアクセスしやすいようにしてあるのです。


後のセンターベンツは調整式


袖口のベルトは防水・防風のため。


バックルは本革で、しっかり味が出ます。

ベルトのDカンは、手榴弾や装備品を付けるためのもの。

裏地は脱着ライナー付き


ちょっとわかりにくいですが、ウールフラノのベスト型のライナー付き
着心地を妨げないために、肩部分はすべりのよい裏地との二重構造です。


コイルファスナーで簡単に脱着できます。

表地は米国産コットンの中で最高級とされるスーピマコットンを
高密度に織り上げたギャバジン。

厚みがあってしなやか、光沢豊か、シワになりにくい高品質素材です。
世の中にはギャバジンに似せた安いポリエステル混(TC)が多いですが、
風合いが固くて光沢も乏しく、毛羽も出やすい。
何よりサキュウは化学繊維がなかった時代のものを再現してると
言ってますから、辻褄が合いません。

裏地のブラックウォッチもスーピマコットンで、ライナーは
ウール70%混のフラノです。

シルエットも女性らしい美しさで、一番褒めて頂けるのは、ラグラン
スリーブなのに、肩が張り出さずにキレイと言って頂けます。

このように、生地・附属類・縫製仕様・シルエット・時代背景など、
もの作りの全てに妥協せずに作り上げたこだわりのトレンチです。

安くはないですが、正直、まったくコストにあってません。
OEMも請け負い、工場さんと直接やりとりしてる私たちでさえ、
普通に値付けすれば7万円後半になります。
ブランドが違えば、10万円を超えても充分通用する内容です。

デニムのイメージが強いサキュウですが、上物もデニムに劣らず
恐ろしく作り込んでいます。
このコートの仕様書の絵型だけでもゆうに10ページを超えるので、
工場さんは相当苦労したでしょう。

妥協せずに作り込んだサキュウの上物の良さを少しでも多くの
皆さまに知って頂きたく、この価格に致しました。


安くはないですけど、それ以上の値打ちあり!
本当の企業努力とはこういうこと!


コートのページ


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