まん丸いお皿 | caqu-caqu日記

caqu-caqu日記

おじいちゃん、おばあちゃんのタンスを覗くと、昔の洋服って本当によくできているし、いいもの持ってるなぁ、と思った事はありませんか?
サキュウは、自分の子供や孫から同じように感じてもらえるような洋服作りを目指して、日々がんばっています。

私たちの仕事は、サキュウだけでなく、OEMもあります。
OEMとは、相手先ブランドの製品を作って納める仕事です。

普通の洋服は縫ったら終わりですが、デニムの場合は必ず洗うという
特殊性がありますので、デニムの生産背景がないブランドさんの製品を
作る仕事もしています。

では、それらのブランドの製品がサキュウそっくりかというと、
そうではありません。
むしろ全然違います。

なぜなら、OEMとサキュウは「品質基準」は同じでも、
「検品基準」には大きな違いがあるからです。

OEMの場合は、私たちがどんなに味わいがあってかっこいいと思って
いても、相手先がそう判断してくれなければ、検品に合格しません。

大手メーカーに納品するOEMの場合は、思いを込めたデザイナーが
検品するとは限らず、全く関係のない検品専門の第三者が、仕様書に
沿っているかだけをベースに合否が判定されます。

なので、OEMで必要なのは「誰が検品しても、同じ結果になる事」です。
端から2mmにステッチかけろと仕様書に書いてあれば、どこまでも
2mmでビシッと合っていることが重要です。


こうしてできあがる製品をお皿に例えれば、型を抜いて作られた、
まん丸いお皿になります。
全ての皿が、指定寸法に合った、真円に限りなく近い、バラツキの
ない均一な色柄のものが合格という、シンプルな基準だからこそ、
誰が検品しても同じ結果になるわけです。
コンパスを当てて、狂いがなければOKであって、そこに味わいとか、
手のぬくもりとか、仕様書に書いてないものは全く加味されません。

つまり、OEMは仕様書に忠実であることと、仕様書に書き込める
範囲のものしか作れないということです。

では、お皿の世界で、そういうものが評価されているでしょうか?

百均ならまだしも、作家さんが作るお皿でまん丸なものなんて
見た事がありませんし、寸分たがわず同じ絵が描いてあるのも
ありません。
どれも手のぬくもりある、一点一点微妙に違うものばかりです。

手作りならではの暖かみとは、微妙なブレやゆがみが醸し出すもの。
それが「佇まい」だと思うのです。

それはつまり、仕様書に書き込めない領域のものです。
(書き込んだところで、工場さんに断られます。)

サキュウは、私たちが作って検品してるから佇まいあるものを
出せますが、第三者に冷徹に検品されるOEMでは難しいのです。

サキュウとOEMの製品を比べるとこうなります。

OEM

caqu

OEMの「楷書」は、誰が読んでも「春」ですが、味わいがなく、
無味無臭で冷たい表情になります。
caquの「行書」は、ちゃんと読める範囲で、手書きの味わいと
暖かみを感じる表情になります。
欠点は、全く同じように再現するのが難しく、ある程度のブレを
許容せねばなりませんが、そのブレ方や許容幅などを仕様書に
書き込みようがありません。
なんぼデザイナーがOKと言っても、OEM先の検品部隊の判断で
納品不可なんてことにもなりかねませんので、恐ろしくて作れません。


だからってOEMの仕事はつまんないなんてことはなく、
検品基準がある意味曖昧なcaquばっかりやってると・・・

草書

ともすると誰も読めない草書までぶれちゃいますから、
OEMの基準を体にたたき込んでおくことは、とても重要なのです。



最近よく、日本製と中国製の違いって何ですか?と聞かれます。

電気製品とか車のように、日本製とは精密で高性能というイメージ
ですので、洋服もそう捉えがちですが、サキュウに限ってはそればかり
ではなく、「品質基準」をクリアしながら、「佇まい」まで作り込める
ところが日本製ならではですと、お答えするようにしています。


caqu HP