今回の大阪アジアン映画祭、3回目の参戦。

ん?

参戦って書き方がそもそも不謹慎になってしまうかな?

場所はABCホール。大阪朝日放送のとこにあるホールでございますが、この日はおはよう朝日ですと言う番組のイベント開催中。特設ステージ横目に、ホールへと。いえ、近いからか、ABCホールに居ても特設ステージからの歌がずっと聞こえてくるのです笑



ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい


監督は金子由里奈さん。

この日は上映後、ご登壇。

ただ、この日はちょっとしたハプニング発生。



弱いひとが弱いまま生きられる場所はないのだろうか。そう思っていた時にこの原作に出逢ったのだそうです。

映画のフライヤーにそう書いてました。

弱いひと=弱者、そういう訳でもなく、この作品の中では、

やさしいひと。

そういう位置付けなのだろうか。

それは自分からモノを言えないとか、相手を傷つけたり嫌な思いをさせたくなくて直接言葉で伝えられないとか、

勿論、何も言わずにいる事が「やさしいひと」とは思えないし、例えばキチンと駄目な事を注意とかする方が実は「やさしいひと」ではないかと、わたしでも思う。

でも、言えない、言いたくない、も理解出来る。

そういうひとも、でも喋りたいという気持ちも有るのです。

で、この作品、

ぬいぐるみに自分の中に有る思いを語りかける、そんな大学のサークルがあり、そこに集まる大学生たちの群像劇とでも言いますか。

一応表向きはぬいぐるみを作るサークル?風なんですが、興味をもってやって来た新入生に、ぬいぐるみと喋るサークルって直ぐバレるのです。

まぁそもそもさして隠してはないからですが笑


他人に自分の気持ちや、考えを言葉にして伝える事が怖い。傷つけたり傷つけられたりが、嫌だ。

そもそも人と話すことが上手く出来ない。

だけど、自分の中には思いが有る。それを吐露したい気持ちも有る。

その為の、ぬいぐるみとだけ、喋るサークル、そういう場所。

一応決まりがあって、誰かが喋っていたら、それを他の人は聞いてはいけない。だから部室ではみんな終始イヤホンやヘッドフォン、耳栓とかしてるのです。何人か居ても、それぞれで、普段は干渉すらしない。そんな場所。



原作は分からないのですが、

この映画では、

しかし、やはり人と分かり合える為、

もしくは分かり合えなくても、

話してみようと、やってみようと、

ある意味そんな結論で終わります。そう、ちゃんと前向きな問題提起はされてるのです。

けして後ろ向きなだけの作品では無いのです。


今回の大阪アジアン映画祭、この作品の前は2回だけ既に観に行ったのですが、

登壇、挨拶やトークはありましたが、QアンドAのコーナーは無しだったので、この日も無いのだろうと勝手に思っていたのです。

しかし、何故か後半、監督に何か質問ありますか?との展開。

あれ?やるんだ?正直意外な感じ。

というのも、人の言葉や行動に傷付き内向的に成らざるおえなくなった人たちの話しなんですよ、で、監督自らもそんな原作に惹かれた方なのですから、少なからずそういう側面をお持ちかなと、予測出来ますよね。

人の発するストレートな言葉に単純に打たれ弱そうで傷つかない?

大丈夫?

みたいな配慮は無かった?

以前の僕は、舞台挨拶の時に質問コーナーとか有ると必ず手を挙げる人だったのです。で、ちょっとイジワルな、質問をする。一応面白い方向にトークが広がりそうな内容を心がけていましたし、願い通りの展開になる事もありました。

ただ最近は、辞めました。

どうしても知りたい事なら直接聞けばいいし、

映画はそれぞれの解釈で観終える方が、

その方が実は良くないか、と。

そんな風に思うようになったのです。

あと、

いえね、

結構それ何?って質問あるんですよ、中には、

まぁ大抵、僕の質問ですが笑

それは冗談ですが、実際、そんな感じ。

だから、もう要らないかな?と。


この日、

最初から意味不明な質問からスタートし、

いえ、

ぬいぐるみを何か他のモノに置き換えてみようと言う発想は無かった?って内容、

いや、それだとそもそもの原作の意味が無い。

ぬいぐるみだから成立してるのだよ。

何聞いてるの?だったし、


続いた次の方に至っては、

作品批判に終始し、質問では無く、

この映画は僕は嫌だと言う感想。

話しも結構長かった。

香港や台湾の作品はしっかり戦ってるとか、対話を試みてるとか、

それに比べてぬいぐるみと喋って他人と関わらないとはなんたる事か、だから駄目なんだ、みたいな。

SNSでは女性監督批判とか日本の若手監督批判みたいな尾ひれもついてました。

そこまでのは無かったんですけど。

ただ、

そんな事言われてもなんですよ。そもそも原作の有る作品で、その世界観は、変えられないし、変えてはいけない。

あと、しっかり観れば分かる事だけど、

主人公の男の子、

一年後、新入生の男子。彼も人とコミュニケーションを取るのが苦手そうが一目で分かるタイプなのですが、

そんな男子がサークルの部室に頑張ってやって来る。

でも、自己紹介すら上手く出来ない。

その彼に、

何でも言ってよ、

僕も話すから、と。

そう言葉を掛けて手を差し伸べてるのです。

そう、成長してる。

先にも書いてますが、至って前向きな終わり方なのです。

でも、

質問者の方は明らかに作品の一部分だけを切り取っての感想や、意見でした。

金子監督、

おそらく、一瞬に頭の中で、この作品に関わった全てが駆け回ったんでは無いかと。

つとめて冷静に、反論しようとしたのですが、色んな気持ちで、言葉に詰まって泣きだしてしまったのです。

すいませんとだけ、

あとは上手く言葉が出せない状況。

「それは違う」と声を上げた方もいらっしゃったし、僕も思わず声を出しかけましたが、

ありがたい事に会場的にはその質問者を否定する声が多く、

あと、

運営さんが、マイクで「ここは討論する場所ではありません、勝手な発言は辞めてください」と。


それもどうかとは思いましたが、

まぁ皆さんそれで、一応は冷静になり、

少しして金子監督も落ち着かれて、

そこのやりとりは無かったかのような方向の片付けかたで次に進んだのです。

他に質問のある方は?そんな具合で。

ただね、その後の質問はもう僕も覚えてない。

なんかモヤモヤしてしまって。

ただ、かと言ってその質問者さんを吊るしあげて叩くのも、なんか違うし。

実際ちょっとばかり炎上してました。


映画は、主人公のななくんやサークルの皆んなの成長も感じたし、金子監督が描きたかったモノがそこには有ると思えたので、それだけで良かったのです。

映画終わり。

その感情抱えて春の川べりの道をやさしい気分で歩いて帰りたかったんですよね。

堂島川。

出来なかったけど。


映画上映後の舞台挨拶、僕はとても好きですけど、質問コーナー的なのは、

この類の映画祭には、要らないかな。