少年が大人になる。
事件とかに知らぬ間に巻き込まれてしまい、
それこそ家族を守る為に、とかで、
刑事さんとか探偵さんの生き方とか言動に影響受けて、
成長する、みたいな笑
そんな話かと思いながら、ほらちょっとハードボイルド風な感じのその手の話しあるじゃないですか、そう思って観てました。始めの方。
大筋そんなに間違ってはいなかったと思うのですが、いや違うか笑。
そういう感じのカッコ良さは全くなかった。
そもそも導入部分から全く洒落た感じでは無かったのですが、敢えて勝手に解釈しようとしてみたんです。
無理だったけど。
福井県が舞台なんで、監督の片山亨さん曰く鬱鬱とした土地柄を表現したかったとの事。日本海側の県って確かに明るいイメージは無いし、福井って言われると原発というある意味ダークなイメージが思い浮かぶけれど、良いところですよ、何年か前はよく海を眺めに行った。
劇中でも海に向かって車を止めて眺めてるカットが有ったけれど、あれ、同じ事した記憶が。
多分場所も同じ。少し笑った。
映像で使ってみたくなる場所は皆んな同じなのだろう。
いえ、ホントに福井にハマった時期があってよく行ってたのです。
海が青くないのが好きで。
地方都市から受ける独特の感覚、社会を描きたかったのでしょうね。
監督の片山さんの出身地だから、故に、は、なんか感じます。まあ褒めない自虐的な部分。
でもわざわざ舞台に選ぶのだから好きなんだとは思いますが。
話しはかなり酷いです。
主人公の青年。年齢とか学生なのかとは語られていないので不明ですが、少年に近いイメージかと。安楽涼さんが演じてますが、かなり若い感じに見せてます。ヒゲ剃ってた時期あったけど、この撮影の時だったのでしょうね。兎に角若い。若作り。まことという名前だった。
両親と兄の4人家族。
どうやら兄が犯罪を犯したようです。具体的には分からないのですが、かなり卑劣な犯罪のようです。世間体最悪な種類のでしょうね。
だからでしょうか、
まことと母が裁判所らしきところから家に戻ると、父親が首吊ってました。
母はその場に崩れ落ち、
まことは思わず咄嗟に走りだし、
気がつくとビルの屋上に。
携帯の呼び出し音に正気を取り戻し、飛び降りは辞めるのですが、
家族がみんな死にたくなる兄の犯罪って一体何やったんだ?
携帯は母からの電話だったんだけど、うるさく感じたのか、ウザく感じたのか、屋上から投げた。
多分、父がぶら下がってるのを見つけた時、お互い手を繋ぐなり抱きしめるなりすれば、変わった結果になったのかもしれないですね。
でも、母は連絡してきたんですよね。探してたんですよ。
だが彼は現実から逃げる事を選んだ。
町中をふらふらと、宛がないからですが、してると、不思議な光景に出くわした。
浮浪者風な、余りそうは見えないのですが、チラシのあらすじに浮浪者と書いてました。
その男がひたすら違う男を殴り続けているのです。
容赦なく。
その場にいたもう一人がもういいと言って止めるまで。何十発も。
ようは、もう一人の男が殴らせてるようなのです。
依頼されて代わりに気にいらないやつを殴る、どうやらそう言う仕事?
必殺仕事人みたいな。
偶然見たその男にまことは、何故だか惹かれてしまいます。自分には無い強さを見つけたのか、彼の内面の孤独のようなものに魅入られたか。
ついていっちゃうんです。
そして彼の部屋?らしきところにも勝手に上がり込んでしまう。
畳の部屋が一間だけで、家具はなにも無い。紙袋だけが沢山あって、と言うか、無数の紙袋だけがある部屋。
その浮浪者は、殴るだけ殴ったら、
帰りに別の男が待っていて、
その男から紙袋を受け取って部屋へ帰るのです。
どうやらその男が仕事をさせている、よう。
紙袋の中は着替えのTシャツと菓子パン。
浮浪者は戻るとまず血の付いたシャツを着替えて、で、パン食って眠る。後は何もしない。
男はまことにも、何も言わない。
まことも聞けない。
思い切って話し掛けても答えは返ってこない。というか、彼は最後に一言だけしか、結局言葉を口にしなかったのです。
でも、
いつの間にか眠ってしまったまことの横にパンが置かれてる。
そんな事が続き、浮浪者もまことを受け入れてる事は分かる。
ストーリー的にはふたつの話しが進行してます。
まことと浮浪者の話しと、
地元のラジオ局でパーソナリティをしている女性の日常。恋愛なんてエッセンスも含まれてて、
実は全くそのふたつは関わらないままにストーリーは進行します。
とある人物が、もしかしたらそのふたつのストーリーに見えない形で絡んでるかも知れないのですが、それは劇中語られません。なので、観てるこちら側は完全に2本立て感です。
明と暗の意図があるのかなと思います、なんせまことと浮浪者の画は台詞もほとんど無いし兎に角暗いのですよ、辛くなるくらいに。細かく語られる訳ではないのですが彼らの抱えているものは物語が進むにつれて、どうしょうも出来ない事が
見えてくるからなのです。
とは言え、ラジオのDJと一見華やかそうな彼女にも不倫とか親の介護なんて現実的な部分もあって実際明るい訳では無いのです。
その辺りを、
多くを語らないと言う作品的手法で観せてくれます。
そして、結局、出口が無いままに作品は終わってしまう。
終わらせるという手法で。
狙っての事だろうけれど、ちょっと強引だったかな。
でもまあ確かに最後迄惹きつけられるものは感じました。それは多分自分がちょっと前のハードボイルドテイストのものが好きだからでしょうね、昔はこういうの好きだったなぁって感覚を思い出しました。
勝っても負けても未来は無い、有る意味そんな物語。勝ち負けじゃないんだけど、人間はどうしてもどっかでケリをつけると言うか白黒つけようとしてしまう。自身の人生とかも含めて。いや、人生をつい、賭けてしまう、愚かだと自覚してても。
あと味は、しかし、悪いな(苦笑)
かなり前に観た作品で、かなり前に書いたブログですが、この秋冬、どこかで又上映されそうなので、少しだけ感想。
