3年前の12月の事。
今日と同じ劇団Teamクースーさんの舞台で初めて彼女の演技を見せて頂いた。
急遽飛び入りした公演も含めて4公演。1週間足らずの公演期間で後にも先にもこれだけ来たのはその公演くらいだった。
まあ一応ですが、おまけに都度都度大阪から東京迄遠征。
応援する女優さんがおふたり出てたと言う事も有ったし、話し自体が泥臭い人情物で、面白かった。
いえ、結構人情物の話しが実は好きなんですよ。それも、それこそ泥臭ければ泥臭い程(笑)
その後も、彼女のお芝居の公演出演があれば欠かさず観せて頂いています。それでも、年に数回、それも2回とか3回とか。
そんなに多くは無いけどね。
以前はSNSで配信をしたり、動画を上げたりもしてた時期もあったのですが、所属していた事務所を辞めてフリーになったりでSNSの更新も激減したりとかで、
いえ、
そもそも舞台中心の俳優さんと会う機会はそんなに無いですよね。
アイドルやアーティストさんみたくイベントやライブがちょこちょこと有る訳でもないので、それこそ舞台公演の時くらいしかお会いする事も無かった。
12月29日。千秋楽。
Teamクースー
分署物語
新宿シアターブラッツにて
高山智未さん。
この日が、
取り敢えずの、
最後の舞台。
と言うのも
先日
この舞台公演が始まる前の事
ツイッターにて
体調面やそもそもの理由でしばらく女優をお休みするという内容が投稿されたのです。そもそもの理由と言うのはある程度の期間女優を頑張ったら何歳かになったら、
辞めると言うような意味です。
いえね、
2020年2月にレギュラーのようにいつも出演してた某劇団の公演があるのですが、情報解禁のそこに何故か名前が無くて、
その時から、んんん?って感情になってたら、前記の内容。
辞める訳ではないのです。あくまでも一応休業。
ただ真意は不明です。
終演後に面会したときに、
「しれっ~と、戻ってきたら良いからね」とは伝えましたが。
公演の内容は、
消防士を主役にした、彼らの日常のお話。脚本演出の古屋治男さんが元々消防士をされてて、その時の経験や体験を反映させて書いたものだそうで、そう言う意味でのリアルな部分も描かれている作品です。
いえね、
高山さんから、千秋楽満席、かつ増席でかなり席がツメツメになっているので、最前じゃなく真ん中の方が観やすいですよとアドバイスを直前に頂いてたんですが、
僕は基本余り素直な性格では無いんで、
う~んこれは、
最前には座ってくれるな!
と勝手に解釈。
いつも自由席の時は最前に座ってる事が多くて、いつも公演後に『圧がきつい笑』と言われるんで、最後くらいそう言うのは無しで芝居をしたいだろうと勝手に配慮し、4列目の一番端っこに席を取ったんです。ここなら逆に気付かないくらい、見えにくい席。少しでもやりにくい思いはしてほしく無いそういう気持ちで、
多分そんな事は実際は無いでしょうけれどね笑。
でも満席と聞いていたのですがなかなか僕の隣に人が座らなくて(全席自由席です)、僕はそんなに見た目変な人でも怪しいヤツでも無いと思うのですが、何故か誰も座らず、割りとそういうのよく有って、もしや隣に来るな!オーラが出てるのかも知れない(笑)
いや~、隣空席のままの方が楽だけどなぁ~でもそれはそれで微妙だしなぁ~なんて思いながら、
それでもようやく人がそろそろとやって来てお座りになったのですが、ふっと横を見るとその方がかなりお綺麗な方で、おや?笑。
いえね、別にそれで何が始まる訳では無いのですが、どちらかと言えば、そう言う方が何かね、気分も上がるでしょ?
あと、なんとなく見た事のあるようなお方の感じだったのですが最後まで思い出せず。2、5次元舞台とかアイドルさんが出てるのならいざ知らず、若い女性がお一人で見に来るタイプの作品じゃないと思ったのですよ。だから出演者のお知り合いの女優さん?かなと思ったんです。いえ出演の男性陣にはホント申し訳ないけれど(ファンの方がいて、見に来ても可笑しくはない笑)
公演が始まり導入部、確かに若干動きの無い始まりで、何かインパクトの有るつかみが欲しかったなぁと個人的にも思いながら観てたんですが、横目にお隣の美人の欠伸を目撃笑。まあまあのお疲れなのか、その後も目を閉じてしまうような状態が時折。
前半は、まあ消防士の日常が毎日毎日ドラマティックな訳でも無いだろうし、ドラマの布石的な運びなんで若干そう言う反応もあるかなと。再演されるのなら前半弱いので、なんか一悶着もう少し欲しいかな、と考える。
あと、消防士だからか、やたら上半身裸になる。鍛えてます的な。いるかこのくだりとか(笑)
ただ、彼女、「ヒーヒーフー」のくだりで俄然突然前のめりに。
消防士の訓練で救急車内で突然出産してしまうとなった場合のシュミュレーションのシーン。救急隊の方がそれこそ妊婦や胎児の役までやってシュミュレーションするんですが、確かに面白いシーンで、お隣さんもその辺りから舞台に入り込み始めた感じでした。いえ、僕は一番端っこの席なんで、舞台か隣しか見えないのですよ笑。
その後、何故そうなった的な展開や、緊急出動で延命措置をとるべきなのかどうなのかの葛藤が有ったり(娘さんからは母は末期ガンなんでもう延命措置はとらないで欲しいと言われたからです)、命に関わるエピソードに思い考えさせられたりで、お話に引き付けられていくのです。そしてお隣さんの目元にも光るものがチラチラと。
なんか響いてくれたのかと、変に安心してしまう。
ただそして、
でも物語はとんでもない展開に。
東山消防分署。
その署長、高橋の娘役が高山さん。千恵と言います。高校生。奥さんと3人家族。
ある日、高橋署長は分署で泊まり勤務。妻の玲子はその日クラス会で外出。
そんな日に緊急通報。
火災の発生、近隣からの通報です。その住所に分署のメンバーは驚きを通り越した感情を受けます。
火災発生現場が高橋署長の自宅。
そして娘さんがどうやらまだ家の中に取り残されたまま。
緊急で駆けつけるも既に家は炎に包まれた状態。当然と言えば当然なのだが猛火の中に飛び込む消防士達。
でも、助け出した千恵は既に呼吸も無い。
ただ、余りの炎の勢いに実は最初に一番近くに着いた消防士、彼は2次被害を怖れて躊躇したんです。目の前の窓を突き破れば突入出来るが、窓を破った瞬間バックドラフト現象で自らの身が危険にさらされる可能性が高い。
彼はその後あの時躊躇せず窓を破って飛び込めば命を助けられたかも知れないと、
自責の念にかられることに。
娘の死の責任を生前ひどく千恵の事を可愛がってた親戚にひどく咎められ母は精神的に病んでしまい、
そんな妻をサポートするかのように高橋も定年の年齢でも無いのに、署長どころか消防士を辞める事になります。
この作品は、その署長最後の日を描いた物語でもあるのです。
それは心に傷をおった人々の再生へと向かう物語。
そして、ちゃんとその傷を抱きしめてこの先を前を向いて生きていく、そんなお話になっていきます。
高山智未さん、いきなり最初の登場がセーラー服の中学生。また制服か~ってちょい笑う。時代劇もの以外ではここんとこなんか制服着ての役の登場多目なんですよ、年齢重ねてからの方がそれも多目で(笑)だんだん若い役になっていく。
で、せっかく高校生になったと思ったらパジャマ姿で、かつ一人家で寝落ちしてしまった彼女にストーブが発火して炎に巻き込まれ死んじゃう役。
そこまで家族の日常を明るく演じてて、娘役似合ってて良いねって感想でしたね、ホント素敵な3人家族の家庭を見せてくれたんで、観客はそこに訪れた悲劇に涙してしまうのでした。
僕も正直寂しいって伝えたし、でも個人的な事情もあるのだろうし、体調面の問題でも有るって事で、ツイッターのコメント見ても、少し休んでまた考えれば良いよってそんなニュアンスのコメント多目で、それは実際舞台後の面会でも言われたんじゃないかな。
そしてそれは、舞台全てが終わってからの彼女のツイートにも、書かれていて、「終わって今、やっぱり私は舞台が好きなんだと言う事を改めて感じさせられました」とのコメント。
ちょっと望みは感じられた。体調の問題とかクリアになれば気持ちはまだやりたいのかなと。
彼女のお芝居って笑顔のお芝居なんですよ。その作品のストーリーの中で彼女の笑顔で救われる物語にたくさん出会ってきた記憶がたくさん。
未来を想像させてくれる、そんな思いにさせてくれるのです。
この作品でも、最後に笑顔の彼女が登場。消防分署で今日で辞める署長へ送別のセレモニー。奥さんが抱えてるのは娘千恵の遺影。その遺影を見て、亡くなった彼女の事をそれぞれが脳裏に思い浮かべるというシーン。
ステージ上は消防署、ステージの後方に高橋署長の部屋のセットと言う形になっておりそこに彼女が立って笑顔を見せているシーンでエンディング。
彼女らしい、いいお芝居だったと思いながら、カーテンコール。満面の笑顔。
そこに涙はなかった。
楽屋帰って直後崩壊してたらしい。
だから終演後も直ぐには出てこられなかったみたいです。
それでもお待ちしてたら面会出来たんで少しお話。
開口一番、ずるいな、死んじゃう役って。
でも、
それも含めて適当にお互い笑いに変えて、
前述の
しれっと戻ってきたら良いからね、って言ってみたり、
あとホント他愛もない話し。
でもあまり肝心な話しは出来なかった。案外実は立ち入れないんですよ、ズカズカと人の心にね、詳しい話しとかさすがに。
言えるのはただただお疲れ様と言えるくらい。
そして残念ながらいつまでもと言う訳にもいかないんで帰る事に。
いつもなんだけど、
劇場の入口まで見送ってくれました。
で、振り返ると、見えなくなる迄ずっと手を振り続けてくれた。
これ最後なんだろうか。
でもなんかまた、
彼女の芝居が多分観れる気がして、
きっとそうなれば良いなと願いながら、
そして僕は、
劇場を後に。


