去年は3日間通ってコンペ参加作品は全部観たんですが、個人的都合で今年は初日だけになりました。なのでコンペ参加全11作品中9作品の鑑賞。
中之島映画祭。5月3日から5日まで3日間の開催。今年で17回目との事で、おめでとうございました。
インディーズ作品だけを上映しているという事が、更に意味を感じてしまいます。だって自主製作作品を中之島公会堂と言う最大キャパ1100人の会場で公開しちゃうんですよ。それだけでも作り手の方は感動してしまうのに、そして普段は40、50の席のミニシアター埋めるのでも大変なのに、ですよ。その10倍以上の人々に観られるなんて、嬉しいに決まってますよね。
そんな機会を作ってる訳でございます、この映画祭。
あと、グランプリの決定方法は、100%当日来場観客の投票によるものです。
5点満点方式で、
あれ?
それじゃ、投票数が多い方が有利と思われるでしょうが、
こちらでは
総得点を投票数で割って個々の得点が決まる方式です。
つまり、
総得点が1000点であっても、
投票数が250人なら、
割ることの、4点。
総得点が800点でも、
投票数が160人なら、
5点!、な訳です。
つまり総得点を争う訳では無く、観た方に如何に5点満点をつけて貰うかがポイントと言うことです。で、限りなく5点に近い作品がグランプリ。
「テロルンとルンルン」
監督:宮川博至
予備知識無しだったら、このタイトルだと、普通は観ないんじゃない?おまけに朝イチですしね。
正直このタイトルで、どんな作品を見せられるのか?結構心配(笑)
そんな思いは、でも早々に消えました。良い作品だと思いました。
聴覚障害が有りその事で学校でイジメにあっている女子高生・瑠海(小野莉奈)と、ある理由で実家のガレージに引き込もってしまった青年・類(岡山天音)。
イタズラな偶然のふたりの出会いが、彼らに変化をもたらし、その境遇さえ変わっていく 、そんなストーリー。
元々町工場だったようなんですが、父親の不慮の事故が、全ての始まりで、その父親はその事故で亡くなり、
と言うか、
小学生だった子供の類を喜ばせようと、打ち上げ花火を自作したら、爆発し、本人死亡。酷い話し。
ただそれが同情されるどころか批難の的に。それこそ爆弾作ったテロリスト扱い。多分誹謗中傷やイジメの対象にされたのでしょうね、彼はガレージのなかに引き込もってしまったのです。
そしてなかなかに酷い話しで、母親も世間から酷い扱いをされたようです、想像するに。
なんか母親も生きる意味を失ってしまってる、そんな風にしか見えないのです。
そして彼も、黙々とそのガレージの中で、依頼された壊れたオモチャとかを修理する事だけに没頭するような日々、勿論未来なんて見えない。
対して、聴覚障害を抱えてる瑠海。
耳が聞こえないのですが、普通の高校に通っています。
でも、その事でイジメられたりからかわれたり。喋れない訳ではないのですが、やはり苦手で、人との関係も上手に出来ないで孤立するばかり。障害が原因で心を開けないようになってしまっているのでしょう。
物事っていつも何故か悪循環してしまうのだろうか。
そんなふたりがふとした切っ掛けで出会い、心の繋がりが始まっていく。
ままならないふたりの日常に光が射し込んでいく、
そんな予感も。
したんですけどね、、、
誤解や偏見
不条理
救われないのですよ、
地方の町の、閉鎖的な(実際はそんなことも無いのかもですが)空気も彼らを押し流し、
それこそ人々の興味の、恰好の的にされてしまう。
ひとりぼっちの時の方が良かった?
会えない。
もっと寂しくて、切ない、そんな気持ちになってしまう。
結末は例によって書きませんが、良い作品ですので、機会が有れば観られる事をお薦めします。
切ないですが。
上映後、
宮川監督がよく受ける質問が有るんでお話しておきますが、と前置きされて、
世間から嫌われてるはずなのに、実際ガレージのシャッターには「テロリスト出ていけ」とか落書きされてたりで、
何故オモチャとかの修理の依頼が有るの?と聞かれるんですが、あれは母親がゴミの中から拾ってきたものを、依頼されたと嘘をついて届けてるんです。彼に何かをさせる為に。
彼にも何かに向かう時間を与える為ですね。そうしないと、彼はもっと早くにダメになっていたかも知れないですから。
ちなみに、映画では一切その事の説明はされてません。
でも母親役の川上麻衣子さんの演技で充分物語っていました。
あと、
エンドシーンは一応、希望へ繋がる道を描いたつもりですと監督談。
初日9本観た段階でツイートはしたんですが、グランプリはこの作品かなと。結構僕の評価って一般的なんでしょうね(笑)グランプリ当たりでした。
案外普通なんだぁと思うと逆に微妙なんですが(笑)

