「大和(カリフォルニア)」
シネ・ヌーヴォにて



米軍厚木基地の有る街、神奈川県大和市。戦後米軍基地がここに作られてから、有る意味、共存共栄と言う形で何十年と言う時間を過ごしてきたんだろう。
劇中、
なにげに主人公のサクラ(韓英恵)が呟きます。
「大和(市)、金持ってんなぁ」
原発でもそうなんだけど、その施設が有り、稼働している事により、その自治体には、それこそ多額の迷惑料的なものが国から払われてる訳だから、
この作品でも、ちょいちょいと基地を無くせ!的な市民活動の様子も、はさまれてるんですが、一般市民の反応は薄めに見えてしまう。基地が有る事が常識になってるんだろうか。
作品の中でも、多分意図として、頭上を飛び交う米軍機の音が再々登場。日夜問わず、うるさい。環境としては最悪だ。
登場人物、誰も口にはしないけど。
心で思ってるのは分かる。

主人公サクラは、母と兄との3人暮し。父の事はほぼ語られない。最初から居なかったようだ。どんな人かも語られない。知らないのかも知れない。

そんな家庭環境もあってなのか、学校には行ってない。行けなくなったのかも。友人間のトラブルもあったみたいだし。

でも本当に彼女のやりたい事は、ラップ。それが好きな事。と言うか、そこにたどり着いた感じがなくもない。拠り所みたいなものとして。
母の恋人で米兵のアビーに、子供の頃に教えてもらったのが音楽であり、ラップだったみたいだ。だから、好きなのかも知れない。
父の居ない彼女にとっては父のような存在だった、のかもしれない。

ある日、そのアビーの娘、レイが日本にやって来る事になり、サクラの家に泊まる事になった。そう、色々とややこしい。
ただサクラ、最初は全く受け入れず。避けてばかり。多分アビーの娘って事が面白くないんだろうね。
ただ積極的なレイに、
次第に心を開け始める。


日常一緒にいる事で、
サクラの隠れ家、もう動かない?キャンピングカーにも招待する程の仲になる。
まあその後、ケンカになってしまうんだけど。
サクラって口が悪いし、思った通りに言ったり行動してしまうんで、人との摩擦が酷いんだね。だからバイト先の鰻家のオヤジさんとは仲が良かったりする。相手が優しい大人じゃないと駄目って感じですね。甘えたい気持ちは有るんだ。

レイとのケンカも、
アメリカへの憧れと嫉妬の感情をレイに言い当てられた事が気に食わなかったよう。

「チャイナもコーリャも(アメリカ)コピーしたけど、一番最初にコピーしたのはジャパン!」
サクラの夢、やりたい事って結局誰かのコピーでしょ!
そんな風に言われた気分だったのかも知れない。
だから傷ついたし、言われたくない事を言い当てられると嫌、だった。

まだまだ子供なんだ。

最初、この作品って、米軍基地が有る、そんな街の状況を否定する作品だと、思ってたんだけど、どうもそういう事では、無いらしいと思った。
批判する部分は有るのだけど、
否定はしてない。
先に書いたように、
有る意味憧憬の部分、感じるんですね。

「フェンスの向こうのアメリカ」

主人公のサクラは、この日本と言う閉塞感の中でいるより、
向こうに行きたい?
そんなことなのかな、と。

最後の「のど自慢大会」
そういうのが有るんです。「笑」でしょ?一応伏線あって、開催も知ってて、出るんだろうなぁ、とは分かってましたが、
それ、映画の最後なんだって思いましたよ。

冒頭
大和(市)、金持ってんなぁ
の台詞の部分、ここに繋ります。
役所主宰で、賞金20万。のど自慢大会です。

サクラの兄、レイ、サクラの母
のど自慢大会にやってきた。


あのシーン、僕は若干否定的です。
パフォーマンスって、多種多様でどんな手法でも良いとは思いますが、ここまでラップ引っ張ってきた意味が、
不明。
あれはあれで、ラップって言われても、
やっぱり違和感は残る。
ラップって音楽に定義は無いでしょうが、
何かしっくりはしてない。

freeに目覚めたんだ、
とらわれる事から抜け出したんだ、そういう解釈しろって事なんだろうか。
何か引っ掛かるとこが残った作品。