「四月の永い夢」


監督・脚本 中川龍太郎
主演 朝倉あき

舞台は国立市、あと町田も。
そして富山県。
この作品の良いところは饒舌じゃないと言う部分ではないかと思う。映画なんだからその映像で充分に汲み取れる意味は、敢えて言葉にせず、説明もしない。
まあ、逆に映像が饒舌に語ってくれてる。そう思う事も出来るのかも知れないけど。
冒頭、満開の桜を前に立ち尽くす喪服の女性。
4月、そして誰か大切な人を彼女は喪ったんだと分かる。
何も言わなくても。
恋人を彼女は喪った。何故?とかどうして?とかは、この作品の中では語られない。誰もそこには触れないし。事故か病死か、もしかして自ら?も一切語られないんで、僕らは想像するしか無い。
映画の後半で訪れる彼の両親が住む富山で、何か分かるのかと思ったんだけど、明かされた事は違う事で、彼女が決めた事が有る意味切っ掛け?だったんじゃないかなと、勘繰ってしまった。
答えは分からないけれどね、
それ故僕は有る意味彼女が背負い続けてしまったのかと、考えた。
勤めていた中学を辞め、彼女、教師でした。その後はお蕎麦屋さんでアルバイト。3年。動かない?動けない?まま。
廻りの人、友人に、いつまで引き摺ってるのよ、と其々言われるんだけど、彼女は、頑なに自分の中に居る。別に暗くないんですよ、引きこもってる訳ではなく、バイト行っててお蕎麦屋さんでもいい感じの接客で、実際常連さんにも惚れられてたりする。まあ2年通って、ほとんど喋れないって、どんな男だよって思うけど、純情なんだよね(笑)今どき?過ぎるけど。
ひとり暮らしの部屋だってちゃんと片付いてる(笑)怠惰で自暴自棄だと部屋なんてすぐ片付かなくなるものでしょうから。
もしかしたら、学生時代から住み続けてる部屋かも知れない。大学も劇中、国立って言ってたから。
さて、そんな彼女、滝本初海(朝倉あき)に事件が起こる。
その一。アルバイト先のお蕎麦屋さん、店じまい。閉めちゃう。
行くとこ無くなる。地味に過ごすのに丁度良かったのにね。
有る意味、追い込まれる。
一生の仕事に就きなさい!らしい。雇い主に言われる。
その二。かっての教え子に遭遇。で、色々と教え子のプライベートに巻き込まれる。同居相手のDVとか、結構大変なんだ。
その三。友人が産休、で代わりに教師に戻らないかと誘われる。まあ後も無いしね。考える、ちょっとまだ無理が有るけど。
その四。告られる。
そのまま(笑)
あと、
その五。もうこの世にいなくなった彼の、彼の母からの手紙が届く。
彼の遺品を整理していたら見つけた、
初海さんに見せたいものが有るって。
向き合わなくてはいけないと、ホントに思う。
それこそ、後がない。と言うか、それこそ追い込まれる。まあ、彼女の為なんだけど。
なんだろうか?
なんでも無い風景や場景、主人公初海と、その心象風景もが美しいんですよ。
映像が、と言うかその映像に込められた思いや感情、そう言うものを含んだものも見える気がするんですね、いや~、少なくとも僕には見えた。気がする。
あと、意味有るんだろうけど、銭湯の入浴シーンが複数回。
いや、アパートお風呂有るし、何故?
サービスカット?監督の好み?
笑。
まあ、美しい、けど。
笑。
ああ、あと暗くないですよ作品。適度に明るい。そこも良い。

シネヌーヴォにて