カランコエの花
監督  中川駿


きみは海
監督  高橋知子


大須にじいろ映画祭2018にて

久しぶりに名古屋へ。
「カランコエの花」を観に行く為に。いえ、評判良いんで(笑)
あれ~?そういうの嫌いじゃなかった?
いえ、時には世の中に迎合するんです。大人なんで。

色んな映画祭で上映されてるのだけど、なかなかにタイミング合わずで観れてなかったんですよ。で、ようやく。
でも、ちょっとユニークな場所での上映でしたね。



大須演芸場
普段は寄席です

あと、大須にじいろ映画祭って主にLGBT系の作品ばかりを上映する映画祭です。今年で4回目、おめでとうございました。


「カランコエの花」

ある日唐突にLGBTに関する授業が行われる→生徒たちに疑念→他のクラスでは、その授業はされなかった→このクラスの中に居る?→犯人捜し→耐えきれなく当事者。

数式みたいなものですね、でもそうなる。それが人だと思える。
犯人捜しなんて書き方悪くて申し訳ないですが、この作品の狙いでありテーマなので。
小数のものを異端扱いに、しがちな社会、常識と言う名の、まあ誰が作ったか分からない枠?そこからはみ出す事がどういう事を意味するのか。
高校のたったひとつのクラスの中にそれを描いてみせ、問題定義する。
そしてそれぞれの立場や考えの危うさや自信の裏付の無さを痛感させる。
いざその時に直面したときに、自分は何を言い、どんな態度がとれるか、ですね。

朝、教室の黒板に
「〇〇さくらはレズビアン」
って書かれてたら、どんな反応しますか?

撮影の際、
勿論脚本もあるんですが、最低限の設定だけで、ある程度、演者さんの感性に委ねて撮られたらしく、思いがけない台詞もあったらしいのです。余りネガティブ過ぎる表現はどうかなと思いつつ、それも素直な感情や感じ方かと判断して使ってます、と監督はおっしゃってられました。

何事にも否定から入るのではなく許容から入る。

そういうスタイル。この映画祭のテーマとも通じますね。
ただ、エンディングも観客に委ねたようですね。
それもスタイルかな?



「きみは海」


実は監督も作品も全く存じ上げてませんでした。なんだろう、インパクト的なものが薄いからなんでしょうが、てか、そういう作品では無いからですけど。知らなかった。
でも、とても良い作品です。

普通に見える大学生の男女がバイト先で出会って、恋をして、愛に変わり、って言うホント普通に進むラブストーリー。
敢えて狙ってるとしたら、男性が非常に中性的な感じの男の子って所でしょうか、自分からってタイプじゃなく、人間関係も一歩引きぎみって感じです。何か上手く喋るのも苦手?
だから、てっきり男性に何か有る?って思ってしまう。僕も最初はそう思って見てた。
対して女性は明るくてハキハキしてて非常にしっかりした、で積極的な、でも、お嬢様って感じで描かれてます。そう何も問題が無いように。
ここまで書けばネタバレですね。

お互いの部屋を毎日行き来してたんですが、ある頃から、今日は用事があるからと彼女が言い出す。男性、海斗(カイト)君と言います。女性は透子(トウコ)さん。海斗君、ちょっと疑います、心変わりされたのでは?浮気されてるのでは?
我満出来なくなってある日で、彼女を隠れて見張ってしまいます。すると年上の女性と部屋に入って行く姿を見る。海斗君ホッとして疑ってごめんって呟くのですが、実は疑いは間違ってはなかった。
そう、相手はまさかの女性。とは思いもしなかったか。

透子ちゃん、自分が許せなくなって海斗君に告白します。私は昔から女の子が好きで、そして今大好きな人が居ますと。
でも、海斗君勿論戸惑いますが、優しく包もうと努力します。なるべく気持ちを押し付けないようにして寄りそおうとします。僕は待てるからと。
透子ちゃんも一度は年上の女性と別れる決意をし、告げるのですが、彼女も又、いつまでも待ってるって言うんですね。大好きだからと。
つまり、透子ちゃん次第。
そういう事になってしまう。

みんな優しくて、残酷。

海斗君結構努力します。女の子が好きなら、女の子になればいい。で女装したり。これがなかなかに可愛い。多分彼、目覚めたんじゃないかと思うくらい。
でも、そんな姿を見た透子は、彼を追い込んでしまった、そんな気持ちになってしまったみたいですね。自分が罪以外の何ものでもない、と決めてしまったみたい。結局、全て海斗君にとってはマイナスな方向。

透子は、生き方を変えました。一番好きと言う気持ちが全て。そんな生き方。
常識とかなんとかは関係ない、自分の生き方を選んだ。

少し、時間は流れて。

海斗君、これで最後とばかり、透子ちゃん呼び出します。現れた透子。そこで気付きます。何か吹っ切れた、今までと違う透子を。多分そこで海斗君は諦めたかも、ですね。
でも、一応言います、もう一度やり直さないかと。答はNO。
自分にけじめをつけるかのように、怒って海斗君その場から帰ります。
海斗君、感情出さないタイプだけど、精一杯って感じでの罵声?
無理してるけどね。
無理しないといけない、
お互い嫌いになるくらいに、、、
けじめですか。


カランコエの花の、花ことばって「きみを守る」って意味だそうです。

自分を愛してくれる人を守りたい。
自分が愛する人を守りたい。

簡単な事じゃない。
ですね。


所で、
自分不調です。全然関係ない話です。いえ、上映後に監督挨拶あるって知らなかったんで、つい何か一番後ろの席に座ってしまいました。
と言うのも最近ずっと1列目2列目とかばかり座ってるんで、もう首が痛くて痛くて、見上げるんでね。
で、監督挨拶有りますって、上演前。あれ?ですよ。でもまさか移動も如何なものでしょ。
まあ、MCの方が一通りお話されて、お時間有るんで、質問ございましたら、、、でも誰も何も言わない。

そう本来なら、私の出番です!

なんですが、
一番後ろって、
遠い!
無理!
座るとこ、間違えた~!
笑。


右端がさくらちゃん。左から2番目がさくらちゃんが大好きな子。
この子


「ねえ、一緒に帰ろう」
部活終わりに声を掛けられた。仲よし4人組の一人。
う、うん。
実はその少し前に彼女は聞いてたんだ。様子がおかしい同じ吹奏楽部の子。
「私、知ってるの・・・誰かを。
保健室で偶然聞いちゃったんだ、先生とその子が話してるの」
「・・・・で、誰なの?」
「うん、、さくらちゃん」
知ったその直後に、彼女はさくらちゃんに会った。多分待ってた。
さくらちゃんを自転車の後ろに乗せて帰る道。さくらちゃんがゆっくり抱きしめるように腕を伸ばしてくる。いつもなら何でもない仕草が気になってしまう。そう、意識してしまう。一生懸命気にしないように努める。ワタシ?って否応なしにも、分かる。さくらの気持ち。

次の日の朝。
黒板の文字。
最初は気にもしない風を装うさくらも、次第にクラスの喧騒に堪らなくなったのか教室を飛び出す。
追う仲よし4人組みの3人。
「ごめんね、
あの黒板の字書いたのワタシ」
3人とも声も出ない。
カミングアウトだったんだ。

次の日、さくらちゃんは学校に来なかった。

もう、
授業なんて耳に入らない、
彼女は、泣いた。
涙を止める事が出来なかった。
きみを、まだ、わたしでは守れない。