羊の木
映画レビューとか、どこ見てもあの「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督作品って書かれてますよね。まあ致し方無いでしょうが、功罪って奴ですね?終わった作品に縛られたくないと思うけれど。ああ、功罪って書きましたが、悪い面は無いですよ、ただ取り上げられ並べられるっていう扱いとか、御本人的には面倒な話だろうなぁ、と言う意味です。
ただ、かくいう僕も見ましたけど、いや「桐島」ね、どんな作品だったか覚えてないしで、
しかしやはり面白かった。ひとつのエピソードを登場するそれぞれの視点から、先ず描き、それぞれのたち位置みたいなものを明確に示した上で、人物それぞれの思い、思惑?を絡ませていく。上手いなぁって、思いつつ一気に観てしまった。
ああ、配信レンタルです、2012年の作品なんですね、まあまあ前ですね。
それ以外でも結構配信とかで映画観てるんですよ、ブログには書かないけれど。
でも、桐島は書きたくなりましたね。心動いた。
多分他のと、まとめて書く?笑。
さて「羊の木」、原作が有るんですよ、読んだ事は無いけど「山上たつひこ」さん?
ん?「がきデカ」の人?
全然作風違いますが、これも功罪?笑。
「いがらしみきお」さんも原作者のおひとり。
舞台は北陸の海沿いの架空の町。
国家的プロジェクトらしいのだけれど、元受刑者(全員殺人犯)6人を市が身元引き受け人となって、受け入れると言うお話。
過疎化対策らしい。表面上は。
多分、少しばかり荒唐無稽な話でも信じられますか?的な事なのかなと思います。
当然と言えば当然の手法だけど、先ずは一人一人を描きます。市役所職員の錦戸亮さん演じる月末(つきすえって読みます)が、6人を迎えに行くんですね、それぞれ。
そういう役割りなんです。
で、業務命令は受けたけれど、詳細はさして教えて貰ってなかったんですが、なんかみんな変だなって事は感じる。違和感?一応服役者は聞いてたけど全員殺人犯は聞いてなかった。
駅や空港に迎えに行くんですが、必ず複数の付添が付いてる。明らかに護送って感じなんです。挙げ句の果て、最後の方は刑務所の出口でお出迎え。笑。
有る種、妙に丁寧に描かれる導入部で、観る側に不気味な印象を植え付ける感じですね。6人6回の出会いを見せられる訳ですから、重ねると言う効果は強い?
一応書いときますが、原作(コミックです)と相当違うみたいですね、読んだこと無いですが(笑)もっと原作は展開がハデ?激しい?
映画は、ホント淡々と流れます。で、妙に笑える。いや、廻りはそういう感じでは無かったんですが、僕はずっとクスクスしてました。滑稽なんですね、人対人の接し方みたいなのが、「まだ世の中に馴れてない」そこ強調なのかな。狙ってる感じ。
ただ終始気持ち悪さは付きまといます。そう言うテイスト。それも狙ってる。
その町には「のろろ祭」っていうのが有るんですよ、架空のお祭りです。でも、非常に大切なファクターのひとつです。
海を見下ろす岬の先に巨大仏像みたいに、「のろろ様」が祀られてるんですが、というか灯台のように立ってるんですが、これが又気持ち悪い。
お祭りの日は、のろろ様が町を練り歩くんですが、基本見てはいけないというルールがあって、家のなかに入って窓から覗くのも駄目なんだそうで、誰もいない商店街とかを、たいまつとか持ってお供を引き連れて歩くのろろ様という画は、民話っぽい感じを観るものに伝えて来ますね。この地方に伝わる民話をモチーフにしてるのか?なんて思わせてくれる。いえ、架空のお祭りなんで、そもそもそんなものは無いですけど。
ただ最後悪い奴をのろろ様が退治してくれる展開?なんで、伏線として祭り盛り上げないとね。なので、かなり祭りのシーン多いかな(笑)
市役所職員役の錦戸亮さん彼の演技以前から好きだったけど、良いですね感情の起伏が少なくて。凄く普通っぽい。と言うのも、普通の人って、普段そんなに大きなリアクションします?
「彼、殺人犯ですよ」と聞かさせても「えっ?」くらいが普通でしょ。間違っても「どっ!ひゃー!!」「えっえっ?!それホント~!」なんて大人の男性が、します?笑。
普通の若い市役所の人がはまってた。
松田龍平さんが、宮腰って役なんですが、最近よく見る松田龍平さんでした。どんな役やっても松田龍平ですね。良いのか悪いのか?キャラが固まりつつ有るようですね。
彼もまた感情の起伏が少ない。感情を変えず無表情で突然人を殺せる。狂気を内部に抱えてるよって、敢えて感じさせる静かな演技、とでも言うのかな。振り返って彼がそっとそこに立ってたら、ホント恐いと思う。笑。
しかし彼演じる宮腰一郎って役は、闇が濃くて深い。そりゃ、のろろ様のお怒り買うよねって。
2時間オーバーの作品ですが、気にならないうちに、エンドロール。
ただ、見終わってしばらく苦笑いが続いてしまいました。
ヒューマンドラマっぽいものだと思ってたら、サスペンスでホラー(笑)だったって感じ。若干ね。

