MOOSIC LAB2017
「少女邂逅」
「GREAT ROMANCE2」
第七藝術劇場にてムーラボ2017が12月23日から上記の劇場とシアターセブンで上映が始まっています。まあ23、24日は遠征してたんで、もともとこっちにいなかったんですが、25日からは夜だし来れない訳でもなかったんですが来なかった。気分じゃなかった?笑。遠くにわざわざ観に行くと言う行為が、僕はもしかしたら好きなのかもしれないですね。
今回、長編と短編の組合わせで上映されてるのですが、
上記の「少女邂逅」かいこうと読みます、巡り会うみたいな意味です。勿論僕は読めなかった。
と、カップリングが短編の「GREAT ROMANCE2」。
どういう組み合わせ?
GRの方は配信でチェック済みで、多分ブログにも書いてて、全く誉めてないと記憶しております。ただ、劇場で観たら悪くない、と言うかふたり(実は登場人物は女優さんひとりで、プラス男性役は人形です)の表情や演技が面白い。人形もなんか、演技してるんですよね、そう見える。とりあえず終始マジな感じ全力なんで、笑えた。
少女邂逅の方は、もう全くトーンが違うんですよ。
導入から少女が虐められてるんですね、クラスの女子から。ちょっと地方の方で、山というか森というか、連れてこられての虐め。日常的みたいですね、彼女はもはや大した抵抗もしなくなってる。声もさしてあげる事もない。諦めてる。
ただ、ある日、そこで、蚕を一匹見つける。何故か気持ち悪がる事もなく、家に連れて帰る。飼う為?
紬(つむぎ)と名付ける、唯一友だちって感じになる。だから箱に入れて学校にも一緒に行く。なんかおんなじような話の舞台、見たなぁ、なんて思う(笑)
でもね、例によってまた虐められて、鞄の中の紬の入った箱見つけられ開けられる。で、「こんな狭い所に閉じこもってちゃ駄目だよね」って蚕を森のなかに投げられてしまう。絶望で落ち込んだ彼女、名前はミユリ、カッターナイフを取りだしリストカットしようとするも怖くて出来ない。リストカットしようとするシーンはその後も何回かあります。はい、この作品のキーワードですね。で、いつも怖くて出来ない。ある日また例によって虐められて倒れてるミユリをひとりの少女が助けてくれた。
そしてその彼女、翌日転校生としてミユリのクラスに表れる。名前は冨田紬。そう、紬。
当然その時からミユリは紬の事が気になって気になってしょうがなくなる。誰だって、なに?って思いますけれどね。
でも、見てるだけで、声も掛けられない。絶望の日々は続くばかり。
ある日。紬が突然の行動に出た。ミユリを学校から連れ出したんだ。自転車の後ろに載せて。
で、遊びに行く。町とか川とか(笑)
普通こういう場合新宿とか渋谷が出てくるけど、なんか東京都内まで電車で3時間くらい掛かる場所らしい(笑)なので、無理だよね。
兎に角、この瞬間、ミユリは紬に助けられたんだ。精神的にも。
ふたりは仲良くなる、どんどんね。秘密の約束とかもする。
で、ミユリが明るくなっていくんですね、髪形とかも変えたりして。クラスの他の子とも、話せるようになる。変わるですよ。友だちグループに入ると、前に虐めてた連中も手を出さなくなった。毎日が180度変わった感じ。
この作品では何かと蚕の事が語られる。カイコ。
蚕って人工的に作られた虫で、基本人間に育てて貰わないと、生きていけないとか、個々に区切られた部屋に入れてあげないと、近すぎてお互いの出した糸に絡まってしまうとか、成虫して蛾になっても羽を羽ばたかせる力が無いんで飛べない、それどころか足で立つ事すら出来ないとか、あと虫に共通してる事だけど痛点がなくてそもそも痛みを感じる事がないとか、
何故かと言うと、直ぐ死んじゃうから。痛みを感じる必要がない。
どこかで繋がってる感じ、なんですね、彼女たちと。
あと、紬はよく口にするんですよ、女なんて体だけじゃんって。彼女にはそう言ってしまう、理由が有るんですけどね。最後に分かる。
ミユリが明るくなって、友だちも出来て、と言うのも物語後半、紬は日に日におかしくなっていくんですよ。反比例するかのように。あと、忙しいって言ってふたりで居ることも無くなって行く。何してるのって感じですね。
以前ミユリを虐めてた子がわざわざ見せてくるんですよ、紬が大人の男性と歩いてる写真とかをね。
前にふたりで沖縄行こうとか約束してたんですけど、急に紬からラインで図書室に来てとかあって、行くと明日沖縄行こうとか言い出すんですよ、紬が。戸惑うミユリにまあまあのお金を見せて、飛行機のチケットも渡します。約束の時間に来れば良いよって具合です。
ミユリの違和感や不安は膨らみます。
待合せの駅にミユリは行きます。紬はミユリにとって絶対の存在ですから。友だちだけど主従の関係ですね。ミユリはそういう子なんですよ、本来の性格。
いくつかの乗り換え、駅のホームで電車を待つ間に、紬は寝てしまう。
そこで、眠ってしまった紬にミユリは紬の秘密というか現実を見つけてしまう。
怖くなって、紬を残しひとりで逃げ出してしまう。
紬はというと家出扱いで探しだされて連れかえさせられる。
一応は元の学校生活に戻るんだけど、二人の距離は戻らない。
紬は遅刻や教室で倒れたり、そのうち学校にも来れなくなる。
ミユリは普通に友だちとの学校生活を過ごし、東京の大学への進学も決まる。
ふたりを繋ぐ糸は切れた?
僕は同世代でも同性でもないけれど、終始痛む気持ちを感じながら観てました。蚕みたいに飼育された彼女は飛べないし、ひとりで歩けない。敢えて飼育って言葉を使ってます。嫌な感じだけどね。
そういう閉塞感は、でも誰にでもある感情でしょうけれど。
ミユリも最後は手を離してしまったし。
ミユリが東京へ旅立つ日、駅のホームで、彼女は紬が死んだ事を教えられる。ミユリを虐めてた子から。
部屋の隅で、餓死したって事。
それ以外の諸諸、知りたくもない事。
拒絶したんだろうね、生きる事を。
動き始めた電車の中で、ミユリはそして、躊躇いもなく自分の腕にカッターナイフを走らせます。そう、躊躇いもなく。
水本夏絵さんの唄がエンデイングに流れるんですが、ひたすら滲み入ります。
唄に救われる気持ちって有る事に、今更気付く。
