ここ3週間、週末は東京だった。
で、久しぶりに自宅で迎える日曜日。さすがに寝坊してしまう。
とは言え、午後は仕事。今週遠征せずに大人しくしていた理由。
本当は野本祭りに行きたかったし、麻布十番祭りも覗いてみたかった。当初はそういう予定だったんでね。ああ、野本祭りは映画監督である野本監督の作品が一挙上映されるっていうもの。いわゆる、祭りでは無い(笑)
仕事は夕方5時からなんで、時間の潰しかたを考えてしまう。取り敢えずは溜まったテレビの録画とかを観る。
そしてしかし録画忘れとかを見つけて慌てて動画サイトを探す。7話がなかったんで(笑)
見つけて、お陰様で話が繋がる。
でも時間は、なかなか潰せない(笑)
何故か、本当に何故か思いついて昔通ったカフェに寄ってみようかって、気になった。ホント昔、とんでもなく久しぶりに。
「時の止まったようなカフェで、ああ、そうだ、あの店の珈琲が飲みたいな・・」言ってる事、馬鹿だなぁと自覚しつつも、
夏の炎天下のなか、車のフロントガラスの向こう、ギラギラした陽射し眺めてたら、そんな事思った。何故だか、ただ、その時を思い出したのかも知れないな。静かにギラギラしてた時代のひとこま。
まだ有るのは知ってるんだ、時折前をわざわざ、車で通り過ぎるんで。それもあったからかも。落とし物、探しに行くみたいに。
今の会社に入った頃よく通った店。会社に帰りたくなくて、夕方前、そこでサボってた(笑)
夜の会社が本当嫌で嫌で仕方なかった頃。僕ら男性社員には暗黙のルールがあり、直属の上司が帰らないと、帰れないと言うルール。生産性も無く、論理的でも無いルール。
まあ、お陰で僕は暇に任せて会社の業務と請求関係の書類を調べつくして、そこに精通してしまう事になってしまうけれど。関係ない話だ(笑)
お店は間口の感じに反して意外なほど広く感じる作りだったと記憶してる。入口側が全面硝子張りだからかな。でも奥の方は適度に暗くて、いごごちが良いテーブル席が壁側に4席くらいあったかな?。センターに大きな楕円形のカウンターがあって10人くらいは座れる。そんなお店。
で、カウンターの真ん中にあの人。とても品がよく見えて、いつも静かな佇まいの女性がおひとりでされていた。
そう言えば、彼女がお客さんと無駄口たたいたり、大きな声をあげて喋っているなんて姿、聞いた事も見た事もなかった。
で、営業時間が午後から夕方迄で、軽食とかもメニューには無く、珈琲専門のお店だったんで、彼女が有る種、暇つぶしでやってる?って感じのお店だった。
さらにお客さんも総じて静かな方が多かった。というか、おひとり様が多かったかな。
あとあと、会社に戻らず、お店に通った理由のひとつが、夕方お店がとても暇な時間だった事もあった。元々隠れ家的な場所にあった事もあり、基本お客さん少ないうえに、夕方はさらに少なくて、よく僕とふたりきりになってしまう場合が多々あった(笑)
もともと普段は僕も本ばかり読んでいて、話し掛けたりしないし、お話する事はないのだけれど、誰もいない時は何故だか彼女が話しかけてきてくれるのだ。今一度書くと、普段彼女はほとんど無駄口はしない。それとお客さんに珈琲をたてて出すと、ちょっと奥まった場所があって、そこに座ってしまうので、覗き込まないと見えなかったりするのです。
しかし、誰も居ないと、僕には話し掛けてくる(そろそろ単なる自意識過剰だろ!と突っ込まれそうだけどね)
話戻る。
勿論覚えていないくらい他愛ない話ばかりだったけど、何気にセンスを感じさせてくれる話し方と適度な天然さに和ませて貰った。そのひとときがとても楽しくて、そう、敢えてそのタイミングを見計らって(笑) 行ってたな、多分に。だいたい。 何回も。
いわゆる独り占め気分かな(笑)
若かったんだ(笑)
そんな日々が、そして、続いた。幾つかの季節を越えて。
ただ、ある日から
僕はそこに行けなくなった。
あの日は仕事が休みの日だったのだけれど、お店の近くでブラブラとデートしてたんだ。うん、その時付き合ってた彼女とね。
流れでお茶でもしようかって話になり、よく行くお店でも良い?って、聞いてしまった、つい、ね。本当つい、聞いてしまった。
おまけに運悪く開いてたんだ、お店。閉まってたら、良かったのに。
扉を開けて、中に入るとあの人と眼が合った。
「いらっしゃいませ」と言いながら、僕のうしろの女の子に直ぐに気付いたようだった。
で、さらに何故か瞬時にもうひとつの事にも気付いたようだった。
唇の動きだけで、
「彼女?」声に出さずにそう言った。
「うん」僕も声にせず、頷く。
何故か後ろめたい気分に襲われた。いや、実際後ろめたかったのかもしれない。失敗した。本当そう思った。(何故、連れて来た俺!)
テーブルの席に行こうとしたら、彼女が「こっちが良い!」とカウンターに座った。あの人の真ん前。
「お姉さん綺麗だからお話したい」僕に彼女がささやく。
わあー!!!、忘れていた。
彼女、年上の綺麗な女性好きなの忘れていた。おまけに直ぐに積極的に話し掛けて仲良くなる、有る種の特技を持っていたのだ。
「いらっしゃいませ」
「素敵なお店ですね~」早速彼女のアプローチが始まってしまった。ろくに店の中なんて見てもいないくせに。
僕は思った。もう置いてきぼりになるしかないのか・・・・
それから何か気まずくて、
その店に僕が次に行ったのは2週間も過ぎた後になってしまった。
一応5時過ぎくらいだったと記憶してる、まあいつもの時間だけど。
お店に入った。
直ぐに眼に入ったのは、振り向いたあの人と彼女。
どうやらすっかり仲良くなって、何度か来ていたらしい。
聞いてないし!そんな気分だった。
おまけにとてもふたりが楽しそうに見えた。そう感じた。
なんだろう?変な気分になってしまった。嫉妬みたいなものなのか?上手く表現しにくい感情だったけれど、間違いなく不快なものだった。何か何か嫌だった。小さい奴なんだよ、実際僕は。
その後、しばらくして、
別の理由もあって彼女とは別れた。
で、僕はその店にも行かなくなった。正確には、行けなくなった、だな。何か色んな意味で色んなものを裏切ったような、そんな気になったからだけど。後ろめたい。そんな気持ちも合った、別に特別にそして何もないけど、大事なあの人との時間を壊してしまった。ちょっとした時間、空間なんだけど、大事なものだったなと。
僕がその場所に行けなくなった理由