【問】身体障害者手帳と障害年金では、どうして障害等級が異なる場合があるのですか。
私は、腎不全により工透析を行っていて、身体障害者手帳の障害等級は1級ですが、障害基礎年金の障害等級は2級です。
どうして身体障害者手帳と障害年金では、障害等級が異なるのか、ご存じでしたら 教えてください。
【答】
身体障害者手帳と障害年金の障害等級は、同じであることが多いため、身体障害者手帳と障害年金の障害等級は同じであると思っている人が多いのですが、 身体障害者手帳と障害年金では、認定基準が異なるので、時々、双方の障害等級が異なることがあります。
例えば、人工透析を行っている人は、身体障害者手帳の障害等級は 1級、3級 又は4級ですが、障害年金の障害等級は 2級です。
また、心臓ペースメーカーを装着している人は、身体障害者手帳の障害等級は 1級、3級 又は4級ですが、障害年金の障害等級は 原則として3級です。
次に、人工弁を移植した場合は、身体障害者手帳は 1級ですが、障害年金は 原則3級、人工肛門(ストーマ)をの造設すると、身体障害者手帳は 4級ですが、障害年金は 3級、人工関節や人工骨頭を装着した場合は、身体障害者手は 4級以下ですが、障害年金は 原則3級となっています。
つまり、人工肛門(ストーマ)を造設した場合や、人工関節や人工骨頭を装着した場合は、身体障害者手帳は 4級以下ですが、 障害年金は 原則として3級ですので、 身体障害者手帳の障害等級が4級以下の場合であっても、障害年金の障害等級が3級の場合がありますので、諦めずに 障害年金の裁定請求をしましょう。
ただし、障害厚生年金や 障害共済年金には 3級がありますが、障害基礎年金(国民年金)には 3級はないので、初診日に国民年金に加入している人は、障害基礎年金の1級 又は2級に該当しないと、障害基礎年金は受給できません。
詳しいことは、障害年金に詳しい社会保険労務士に相談しましょう。
また、身体障害者手帳の障害等級と 障害年金の障害等級が異なるときは、この2つの障害等級は同列ですので、どちらか高い方の障害等級に基づき、障害者加算は認定されます。 例えば、人工透析を行っていて、身体障害者手帳の障害等級は1級、障害年金の障害等級は2級の場合は、身体障害者手帳1級に基づき、障害者加算1,2級が認定されます。
しかし、精神障害者保健福祉手帳の障害等級と 障害年金の障害等級が異なるときは、障害者加算の認定にあたっては、障害年金の障害等級の方が、精神障害者保健福祉手帳の障害等級に優先しますので、障害年金の障害等級に基づき、障害者加算は認定されます。 例えば、精神障害者保健福祉手帳1級、障害年金2級の場合は、障害年金2級に基づき、障害者加算3級が認定されます。
上記のとおり、障害者手帳や障害年金の障害等級と 障害者加算の関係は複雑ですので、時々、ケースワーカーが 間違って障害者加算を支給し、後で間違いに気が付き、何年もさかのぼって(最長5年)、障害者加算相当額の保護費の返還を求められることがありますので、注意が必要です。