【問】保護開始時の要否判定には、どのような費目が用いられるのですか。
【答】
保護の相談・申請時に、面接相談員やケースワーカーから、「所持金が最低生活費を上回るときは、保護を申請しても却下になるので、所持金が最低生活費を少し下回るようになってから(又は 手持金認定の関係で、それより少なくなってから)、保護の申請に来てください。」と説明されることがあると思いますが、生活保護手帳や東京都生活保護運用事例集等を見ると、このときの最低生活費の算定には、生活扶助費や住宅扶助費、教育扶助費だけでなく、おむつ代や国民健康保険料、医療費(低所得者の減額制度を適用した場合の高額療養費・食費等)、通院移送費、介護保険料・介護サービス費(境界層制度を適用した場合の介護保険料・高額介護サービス費等)も含める必要があります。
そこで、保護開始時の「要否判定に用いる費目」について、生活保護手帳や東京都生活保護運用事例集等をもとに、次のとおり整理しました。
保護開始時の要否判定においては、最低生活費と収入充当額をそれぞれ算出し、それを対比する必要があり、次のように 最低生活費が 収入充当額を上回った場合に 保護開始となります。
最低生活費 > 収入充当額
<開始時の最低生活費の算出に際し用いる費目>(課長問答・第10の4及び5)
【生活扶助】 基準生活費(第1類 + 第2類 +(地区別冬季加算))、
入院患者日用品費、 介護施設入所者基本生活費、
加算(障害者加算、母子加算、児童養育加算など)、
被服費(おむつ代)(局長通知第7-2-(5)-ア-(カ))、
移送費(局長通知 第7-2-(7)-ア-(ア)及び(イ))
【住宅扶助】 家賃、 間代、 地代
【教育扶助】 教育扶助基準、 教材費、 給食費、 交通費、 学級費
【介護扶助】 介護費(住宅改修費を除く)、 移送費
【医療扶助】 医療費、 短期医療費(特例)、 移送費
【出産扶助】 出産費
【葬祭扶助】 葬祭費
上記に加え、国民健康保険料などの健康保険料(減免等が利用できる場合、利用した上で、その者に賦課される 最低限の額)を実費で計上します。
[具体例](夫) 33歳、(妻) 29歳、(子) 4歳の居宅3人世帯
(令和3年4月現在、1級地-1)
【生活扶助】 1類・2類 146,800円
児童養育加算 10,190円
【住宅扶助】 家 賃 69,800円 (上限額以内)
【医療扶助】 外来実費 実 費
【そ の 他】 国民健康保険料 実 費
最低生活費計 226,790円 + 医療費実費 + 国民健康保険料
(要否判定に用いる最低生活費)
要否判定の際は、上記の費目の中で該当となる部分の扶助費を足したものが、その世帯の最低生活費となります。
なお、要否判定には用いない費目は、次のとおりです。
<開始時の要否判定には用いない費目>
【生活扶助】 期末一時扶助費、 家具什器費、 入学準備金、 就労活動促進費、
配電・水道・井戸・下水道設備費等、
被服費(局長通知 第7-2-(5)-ア-(カ)を除く)、
移送費(局長通知第7-2-(7)-ア-(ア)及び(イ)を除く)等
【住宅扶助】 敷金、 契約更新料、 住宅維持費
【教育扶助】 学習支援費
【介護扶助】 住宅改修費
【出産扶助】 産科医療補償制度による保険料
【生業扶助】 生業費、 技能修得費、 高等学校等就学費、 就職支度金