こんにちは!タコリーナです!
そろそろ旅に出ましょうか。。
とは言え。。
これは2017年のイタリア旅のお話。。
ミラノに降り立ち、、
その後一気にフィレンツェに南下。。
そしてボローニャ→ヴェネツィアと。。
再び北上するルート。。
そんなルートの記憶を辿り。。
簡単ではありますが。。
旅日記を。。
自分もまた、、
旅に出る気持ちで。。。
わくわくしつつ。。。
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さて…
『プリマヴェーラ』『ヴィーナスの誕生』
と。。。
サンドロ・ボッティチェッリの、最も輝いていたと言われる時代の作品を見てきたが、、
ロレンツォ豪華王亡き後のボッティチェッリの人生は急転、、、
過激な修道士サヴォナローラの思想に心酔し。。
作風も過激で怪しい雰囲気へと一変してしまった…
その代表的な作品が。。
もう、タイトルからして、、、

この作品は彼と同じく、サヴォナローラ崇拝者の友人の依頼によるもので、、
内容としては、、
サヴォナローラが反対派によって焚刑にされた事への抗議の絵で。。
古代ギリシャの画家アペレスが誹謗を受けた際の仕返しとして描いた絵の再現とされている。。
さて…
そこで今日のタイトル。。
『王様の耳はロバの耳』
だ。。
実はちょっと分かりにくいのだが、、
向かって右側の、玉座に座り2人に絡まれている人物。。
彼の耳は。。
ロバの耳…
なのだ。。。
つまり、、、
あの話がモチーフになっている?
とは言え、、、
童話のそれには、当然こんな修羅場は描かれていない。。(笑)
童話はこんな感じだ。。↓
《耳がロバの王様は、それを隠すためにいつも帽子を深く被っていた。。唯一、髪結いがその事を知っていたが固く口止めされていた。。
しかし、段々秘密を抱えている事が苦しくなった髪結いは、毎晩穴を放っては穴にむかって『王様の耳はロバの耳〜!!』と叫んでいた。。
するとその穴から生えた葦が『王座の耳はロバの耳〜〜♪』と囁く様になり、やがて風に乗って皆の知るところとなってしまった。。
皆に知れ渡り、観念した王様は帽子を取り、ロバの耳の事を打ち明け、こう言った。。
『み…皆の話が良く聞こえるようにこんな耳なのだよ。。
』
そして髪結いの事も許し。。
皆に信頼される王様となった…》
↑誰もが知るこの童話には、、
真実を言う勇気。。
寛容な心を持つ事。。
或いは、、
壁に耳あり障子に目あり。。👂👁
等の教訓が込められていると言われるが…
ボッティチェッリの『誹謗』には、、、
この話の少し前のストーリーが関係している…
そもそも…
何故、王様の耳はロバの耳だったのか…?
実はこの王様はミダス王👑
ギリシャ神話の登場人物だ。。
そう。。
泥酔して連行されたデュオニソス(バッカス)の養父を罰せず釈放した事から、デュオニソスに『お礼になんでも願いを叶えて差し上げます』と言われ、、、
『では触るもの全てを黄金に変える力が欲しい。
』
と要求したところ、食べ物や飲み物まで黄金になってしまい飢餓状態になった。ww
と言う、お茶目なエピソードをもつあの人だ…
(その後懇願して力を解いてもらった)
そんなちょっとお間抜けミダス王。。
ある時、半人半獣のマルシュアスが竪琴の名手アポロンに音楽の共演を申し出た。。
(アポロンに太刀打ちできる者はそうそう居ない)
ミダスはその審判の一人となったのだが…
皆がアポロンに軍配を上げる中、、
ミダス王ただ一人がマルシュアスに軍配を上げた。。
怒ったアポロンは、、
『そんなバカ耳はロバの耳になってしまえ!
』
と、、、
ミダスの耳をロバの耳にしてしまった…
というお話。。。
さて…
もう一度『誹謗』に目を向けよう。。
そんな感じで、、
サヴォナローラの反対派に対する抗議と言われるこの絵…
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「無知」と「猜疑」の寓意に責められている場面が描かれている。。(耳をつかまれてる?)
すぐ左の黒頭巾の男は「嫉妬」の寓意だ。。
「誹謗」「欺瞞」「怨根」。。
床に転がされた「無実」の青年をこらしめている。。
「無実」の青年はサヴォナローラだ。。
黒マントの老婆は「悔悟」
その視線の先には…
「真実」のヴィーナスの姿が。。
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この作品もまた。。
これまでの作品と同じく、多くの寓意によって表現されている。。
しかし、、、
その世界観はあまりに違いすぎていて。。
知るほどに、、、
何だか切なくなってくる。。
修道士サヴォナローラの神権政治は、、
4年で終わりを告げ。。
反対派の手により焚刑になった。。。
それでもボッティチェッリのサヴォナローラへの信仰心は依然として変わらず。。
彼の作品が以前の様な明るさを取り戻す事も無く、仕事も減っていった。。
晩年は貧困に苦しんだと言われている…
しかし、、、
現在、最もよく知られているのは、、、
明るく華々しい時代のボッティチェッリだ。。
『プリマヴェーラ』『ヴィーナスの誕生』も…
ロレンツィーノの田舎の別荘にあった為…
かの“虚飾の焼却”からも逃れ。。
綺羅びやかなウフィツィ美術館で、、
今も訪れる人々を魅了しているのだ。。
彼はそんな光景を見下ろして…
『焼かなくてマジ良かった〜!
』
なんて言っているだろうか。。。
そんな風に、、、
苦しかった事も忘れて、、、
笑ってくれている。。。
そう信じたい。。。
さあ。。
すっかりボッティチェッリの部屋でゆっくりしてしまったが。。
ここからは少し駆け足気味に廻って行こう…
つづく。。。
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そんな感じで…
続きはまた次回!
ではではまた!
後程ーポ!!
と言う結論に達しました。。






