「うちの子がバレエをやってて、今度、発表会があるんですけど」
といただいたチケットに小躍り。演目はくるみ割り人形。
幕前、先輩ご夫妻が挨拶にこられ、
「本日はありがとうございます。もう観に来てくださるだけで・・・」
高額なチケットをいただいたうえ、頭まで下げてくださるなんて。恐縮至極。
お招きいただいたことに感謝を述べながら、
公演(演劇をしていた)当日の気持ちを思い出す。
「観に来てくださるだけで」私もそうだった。先輩の気持ちが痛いほど伝わってくる。
幕開き。
ご子息が登場。第1幕、主人公クララのくるみ割り人形を壊す重要な役どころ!
物語ではクララの兄が壊すのだが、舞台では弟が壊すという演出。
ご子息のあどけない可愛さがほほえましい。
物語の進行と共に、子供の頃バレエを習っていたことを思い出す。
発表会の時、お化粧をするのだが、口紅(の味)が気持ち悪く、
口をうまくとじれなかったこと。
衣装のチュチュが、見た目と違って着ると案外硬く、ザクザクしてると思った感覚。
私は体が固かったので、体の柔軟性を問われない役をあてられていたこと。
パーにした両手を頬の近くにもってきて驚いている表現とか、
別にバレエ習ってなくても、今すぐ誰でもできるやんみたいなポーズが多かったな~(笑)
記憶にある大舞台は、フェスティバルホールで行われた「白鳥の湖」
瀕死の白鳥を心配してかけよっていく(役)
何気なくただかけよっていった子供にも、
本番、バレリーナの汗を間近に見た驚きは今も心に残っている。
本物のすごさ。犯しがたい神聖さ。
バレリーナの指先、足先を見ながら、先端まで神経をはりめぐらせる非日常の美に感嘆。
演出も面白く、あっという間にエンディング。
カーテンコール。
カミテの端の席だったので、シモテにひかえるご子息の姿が見える。
出番を待つ間、そでから先輩方の踊りを見てまた一段と上手になっていくんだろうなと。
再び、登場。会場の拍手に堂々とこたえるご子息を見ながら、
つづきましては親心。
ご子息自身もさることながら、この日を迎えるまでの親の苦労はいかほどかと。
舞台当日、穴をあけてはならない役者の体調管理は自己責任である。
でも、まだ小学生である。自身の体調管理には限界があろう。
新型インフルエンザもはやる今、体調を崩さないよう、病気にならないよう
細心の注意をはらう緊張感は大変なものであったことと想像たやすい。
客席のご夫妻にも拍手をおくる。
演劇をしていた私、バレエを習っていた私、親となった私・・・
感じる視点が増えたことに、どんな経験も無駄なく生きてくるものだと 心から。
先輩ご夫妻へ。
このたびは、素敵な公演にご招待いただきまして、ありがとうございました。
幕前のご挨拶から公演終了後のご配慮まで、親の姿勢というものを
大いに学ばせていただきました。
初舞台にして、大役を果たされましたご子息、会場の拍手喝采をあびて、
舞台の光と心地よさを味わったのでは?
ご子息の今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
追伸。
私は体が固く→できないことが多く→楽しくなく→バレエをやめましたが、
高校に入学した折に、子供の頃、一緒にバレエを習っていた子と再会します。
私は講堂の客席、相手は舞台の上。
辞めることなく続けていた彼女はバレエという特技にて入学。
彼女が踊る美しい姿に私も続けていたら・・・と思わずにいられなかった瞬間でした。