街中やちょっとした堤防で楽しめるフライロッドを、ずっと構想し続けていた。

普段使いはもちろん、旅行や出張、散歩のついでにも気軽に持ち歩ける。 

それでいて、釣果の追求には妥協しない。 

そんな「究極の普段使いフライロッド」を作りたいと思い、6年ほど試行錯誤を続けていた。

 

そして今年、いよいよ製作に取り掛かろうと思ったのだが――。

 

パーチフィッシングに少し飽きてきたこともあり、なんだか作ること自体が面倒になった。

結局、これまで通り10ft #4のニンフロッドや8.6ft #4のロッドを持って釣りに出ていたのだが、

最近は1匹釣れたらそれで満足。 その後は近くに腰掛けて、子供が釣る姿を眺めている時間の方が長くなった。

 

息子は8.6ft #4がお気に入りで、最近はずっとそれを使っている。

 仕方なく自分は10ft #4を使っていたのだが、どうもその長さが面倒に感じるようになった。

もちろん、絶対的な釣果を求めるなら、10ftという長さは大きな武器になる。 

しかし、持ち運びや気軽さという点では、圧倒的に不利。 仕舞寸法が短くなったとしても、

公共交通機関では邪魔になるし、車移動でも億劫になる。

 

結局のところ、8.6ft~9ftくらいが一番バランスの取れた長さなのだと思う。

息子に8.6ftを取られてしまったので、渋々もう一本作ろうかと思った時、

たまたま手元にあった7.6ft #6のグラスロッドが目に留まった。 

理由は単純で、ただ持ち運びやすかったから。

 

実際に使ってみると、やっぱり使い勝手が悪い。 

釣果も10分の1くらいまで落ちる。

それでも最近は、1匹釣れれば十分満足なので。 

「もうこの竿でいいかな」と思えてきた。

 

隣でガンガン釣る息子を横目に、 

グラスロッドに適当なフライラインを結び、 

フライボックスから適当にフライを選び、

ゆったりとキャストする。

 

そんな釣りが、いつの間にか自分のスタイルになってきた。

釣果だけを求めれば、物事はいくらでも広がる。 

より良いロッド、

より良いライン、

より良いフライ……。 

 

追求すればするほど選択肢は増えていき、

それを突き詰めていくと、最後は逆に絞られて理想形が見えてくる。 

そんなことを何となく想像していた。

 

ただ、その先にあったのが、 

「釣果をそこまで求めない」 

「道具もそれほど選ばない」 

「とりあえず1匹釣れれば十分」 

という方向に行ったのは、意外だった。

 

まあ、そのうち時間とお金に余裕ができたら、また理想の一本を作るだろう。 

でもしばらくは、手元にあるグラスロッド持ち出して、少し出掛けて、1匹釣れたら満足。

そんな釣りを楽しんでみようと思う。