三月になった。 

いきなり気温がぐんぐんと上昇し、

プラスの数字が続いている。 

 

こうなると、

海を分厚く閉ざしている氷の連中も一気に退散するかと思いきや、

やつらもなかなかシブトイのである。

 

古い写真をごそごそとひっくり返してみると、

猛烈に寒かったはずの四年前でも、

三月の初旬にはもう氷がとろとろと溶け始めていた。

記憶というのはいい加減なもので、

当時は「なんて寒いんだ」と震えていたはずなのだが、

記録を見れば意外にそうでもなかったのかもしれない。

 

とはいえ、今年は例年より暖かいはずなのに、

冷え込みと雪の量だけはやけにタチが悪かった。 

十二月末まであんなにヌカポカしていたのに、

正月が来た途端、いきなり氷点下十五度である。

それが二月末まで、

しつこい風邪のように延々と繰り返されたのだ。

 

雪の降り方も、なんだか「メリハリ」がありすぎた。 

しんしんと優雅に降るのではなく、

一気にどっどっどっ!と降ってはピタリと止む。 

 

そのせいかどうだか知らないが、

見渡すかぎりの海はどこもかしこも氷に覆いつくされ、

釣り人が付け入る隙など微塵もありゃしないのだ。

迫りくるパイクの季節

しかし、予報によればこの先はさらなる高温が続くらしい。 

この調子なら、氷の野郎もハイスピードで溶けて消えるだろう。 

だからといって、シーズンがそう簡単に早まるとは思えないが、

このペースなら四月の初旬にはパイク釣りの戦いの火蓋が切られるはずなのだ。

 

そうなると、である。 愛用のロッドを完成させねばならないのだが、

昨日ようやくグリップができただけ、という体たらくである。

 

あろうことかリアグリップはサイズを間違えて注文し直す羽目になり、

スレッドの色さえ決まっていない。

エポキシだのなんだの、

必要なブツの注文すら手付かずのままなのだ。

 

そこへもってきて、

仕事の方がドカドカと忙しくなりそうな気配である。 

果たして時間が取れるのか。

 

これはかなり怪しいぞ、

と眉間にシワを寄せる。

 

何かが進んでいるようで、その実、一歩も進んでいない。 

そんなモヤモヤとした霧の中を突き進むような、

激務予感の月曜日が始まってしまった。

 

シーズンイン予定まであと37日