今年もあと一日となった。
 振り返れば今年も何事もなく概ね息災に過ごせたと思う。
 もちろん今年はコロナの脅威もあり、経済の落ち込みや消費の減少もあって販売業や生産業は苦しい一年だっただろう。これはナイフ業界も同じで、仕事で仕方なく刃物を使う人種以外では、嗜好品であるナイフが真っ先に“我慢”の対象になるため、そういう物に関わる商売はとても辛い一年だったろう。
 そういう当方CaptainKnife&Toolsも、一時は深く落ち込んだが、年末にはNEMOTO KNIFEさん主催のウェブナイフショウもあり、ある程度取り返すことはできたと思う。
 
 さて今年末は大型のナイフを作ることが多かった。これは、前述のウェブナイフショウの出品に合わせての事だったのだが、大尉、何を思ったかスケジュールを一週間間違えるというとんでもないポカをやらかしやがり、結局ウェブナイフショウには間に合わなかったのである……。

_(:3」∠)_

 んで、みんなの度肝をぶっこ抜いてやろうと画策していたブツがコレ。


 全長350mm、刃渡り8インチ、刃厚13mmの剣鉈だ。
 グラインドはコンベックスで、和式剣鉈のような片切刃ではなく両切刃。塩化第二鉄黒染処理で全然見えないけどパターンエッチング仕上げをしてある。

 シースは2mm厚カイデックスで、ハンドルには真田紐による柄巻拵えにした。(余談だが、柄巻は巻く事自体より止め結びの方が面倒くさい……
 重量はシース込みで1300gほど。
 硬度はD2実用最大硬度のHRC62である。ちなみに62っていってもぴったし62ではなく、62.5とか62.7とかほぼ63って感じなので使用感的にはほぼ63に近い。
 銘は“Hakkapeliitat”
 フィンランド語で「叩き殺す者」という意味だ。

 剣鉈ならあと二本作ったが、それはまた次回に。