『BOSCH/ボッシュ』シーズン4 全10話 (親の七光りに隠れた裏の顔を暴く刑事と悲劇の元妻) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『BOSCH/ボッシュ』シーズン4 全10話 (各話おおよそ45分)

 シーズン4は、前作から3か月後のハリウッド署が舞台です。シーズン3ラストでの火災から「ハリー・ボッシュ」に新事実がもたらされ、一件落着と思われた40年前の事件に新たな“疑念”が生まれます。また、犯人が警官では?と思われる強盗殺人事件が発生し、「ハリー」が特別捜査班を率いることになります。以下、シーズン4での主な事件。

 

  1.人権弁護士強盗殺人事件

 2.FBI捜査関係者射殺事件

 3.警察官による少女誘拐容疑者暴行事件

 4.捜査情報漏洩汚職事件

 5.韓国人街無差別連続強盗殺人事件

 6.カラオケ店銃乱射事件

 7.中国系犯罪組織構成員殺害事件

 

 そして、事件化にこそなりませんが、弁護士による経営者脅迫事案、弁護士家族暴行事案、パーティ券窃盗事案等もあり、また特捜班に人員を奪われ、ハリウッド署の殺人課は多忙を極めることとなる。

 

【あらすじ】

 ある晩、ロサンゼルス中心街にあるエンジェルス・フライト内で人権弁護士「ハワード・エライアス」が射殺され、財布と時計を盗まれる事件が発生する。殺害された人物は黒人の元検事だったが、金銭がより稼げる弁護士に転身、刑事告訴された被告人側に立ち、捜査上の警察の落ち度を突いて、多額の損害賠償金をロサンゼルス市からせしめながらも、人権弁護士として名を挙げていた。そのため、警察内部にはあからさまに、この弁護士と敵対する勢力が出来上がっていた。したがって、本件に関しては、「強盗殺人」と警官による「怨恨殺人」との疑いが掛けられていた。本来であれば、所轄の強盗殺人担当部署が対応する事案であるが、警官が関与している可能性が大きいと判断した本部長代理「アービン・アービング」は、この弁護士と全く関わりのないメンバーで特捜班を編成することとし、「ハリー・ボッシュ」を班長に抜擢した。

 当の「アービング」は、息子を殉職させたと妻「コニー」から責められ、離婚調停中の身であり、今期限りで本部長代理を辞し、ロサンゼルスを離れ、民間でその手腕を発揮する算段をしていたが、コリアンタウン・キラーに射殺された家族を優しく支えようとするボランティアの韓国系米国人「ジュン・パーク」と出会い、親密となる中で、彼女に促されるかのように、新本部長就任の道を選ぶ。このことに警察委員会の議長「ブラッドリー・ウォーカー」は三顧の礼をもって迎えようとする。

 「ハリー」は、エンジェルス・フライト事件を追いながら、母「マージョリー・ロウ」殺害事件の担当刑事の焼死が、放火殺人の疑いがあり、数日後、母を殺害遺棄した犯人が別にいることを示唆する資料を手にする。その資料が示す真犯人こそが、不動産開発会社の経営者で、警察委員会議長でもある「ブラッドリー・ウォーカー」その人であり、その真相究明のため、「ハリー」は「ウォーカー」を徹底マークする。その中で、期せずしてエンジェルス・フライト事件と「ウォーカー」の接点が浮かび上がってくるが、警察内部の内通者、汚職警官の妨害と証拠の改ざん、そして市警察と市長「ヘクター・ラモス」らの思惑が交錯し、本部強盗殺人課の現職警官「フランシス・シーハン 」が重要参考人として容疑がかかる。これは冤罪であるが、アリバイが無く飲んだくれの「シーハン」は逮捕を恐れ、職場放棄し出頭命令も無視し逃走する。特捜班班長として「ハリー」は、組織の内外、そして上下の板挟みになりながら愚直な捜査を徹底して行って、事件解決へ向け一歩ずつ前進していく。

 一方、「ハリー」からの情報により、FBI長官名で推薦状を手に入れた元妻「エレノア・ウィッシュ」は正規職員ではないものの、FBIの内偵捜査に関わるようになり、カード・プレーヤーとして中国系組織の関係者と接触するが、FBIロサンゼルス支部長「ジェイ・グリフィン」の失策により彼女の情報が敵方に漏れる事態となることを「エレノア」は知らない。

 

【シーズン4に登場する注目人物】

ジュン・パーク(リンダ・パーク演ず):市警察本部長代理アービングの恋人で、後に妻になる。ストリート・ギャングに弟を殺害された経験を持つ。芯が強く、上昇志向の才女で離婚調停中のアービングを鼓舞して、本部長まで上り詰めさせる。

 

フランシス・シーハン(ジェイミー・マクシェイン演ず):本部強盗殺人課の刑事。仕事の重圧からか、アルコール依存で勤務中もしらふではないらしい。

 

自転車に乗った男(モンティ・シャープ演ず):彼がコリアンタウン・キラー。4年に渡り強盗、殺人、殺人未遂、窃盗、器物損壊を無差別に繰り返しながら逮捕されずにいる愉快犯で、警察を出し抜くことを至上の喜びとしている変人。