出演者がとても可愛い『ウォールフラワー』(スティーブン・チョボスキー監督脚本作品) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『ウォールフラワー』(原作:The Perks of Being a Wlliflower /2012年アメリカ/103分/PG-13)

監督・脚本・原作:スティーブン・チョボスキー/原作本『ウォールフラワー』(原題:The Perks of Being a Wlliflower)

製作:ジョン・マルコヴィッチ、ラッセル・スミス、リアン・ハルフォン

製作総指揮:スティーブン・チョボスキー、ジム・パワーズ

音楽:マイケル・ブルック

撮影:アンドリュー・ダン

編集:ヤナ・ゴルスカヤ、メアリー・ジョー・マーキー

出演者:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、メイ・ホイットマン、ポール・ラッド、 ニーナ・ドブレフ、ジョニー・シモンズ、ケイト・ウォルシュ、ディラン・マクダーモットら

100満点中93



 1990年代、ピッツバーグ郊外の住宅地にある高校を舞台にした、高校1年生男子を主人公とした青春作品です。

 学内カーストの最下層にいる男子高校生が、素晴らしい仲間や教師と出会うことで、過去にあった不幸な出来事の呪縛から解き放たれ、恋や友情を深めていくという展開ですが、もともとの原作が良いのと素晴らしい出演者を得たことで、見ごたえのある濃厚な青春群像劇にもなっています。



 とにかく、主要キャストの3人がものすごく良い。製作のジョンマルコビッチ(彼は・・・あの俳優ですね・・・)の強い希望で200万部のベストセラーとなった原作を書いたスティーブン・チョボスキー(↑)に脚本と監督を務めさせ、監督本人が“この3人しかいない”と絶賛した主要メンバー3人の演技は脚本のイメージと見事に合致したようで、そのキャラクターは、自然な感じに観る者の心の奥底に飛び込んできます。




 主演のローガン・ラーマンは「チャーリー」を演じます。この役は、新学期から高校1年生となる文学少年で、ガリ勉っぽい雰囲気は出していないものの、地味な性格が災いして、新学年開始からしばらくは全く友人ができません。また、中学時代に親友を無くしたせいで、新しい人間関係には臆病になっている様子です。ラーマン本人は、2010年公開の『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』や2011年公開の『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』の主演で有名ですね。また、最近作では、2014年公開の『ヒューリー』で不器用な戦車兵を演じました。



共演のエマ・ワトソンは「サム」を演じます。この役は、「チャーリー」が好意を寄せる最上級生で、ショートカットの髪型に活動的な性格の美少女です。劇中、男性を見る目はあまり良くないようでしたが、「チャーリー」と出逢ったことで、自分の可能性を広げるきっかけをつかみます。ワトソン本人は、皆さん良くご存知の通り、「ハリー・ポッター」シリーズの「ハーマイオニー・グレンジャー」役で有名ですね。本作で、今までとは全く違った洗練された彼女に出会えるはずです。劇中、本人の役のつかみ方が本当に素晴らしいですし、例えようの無いくらい美しい女優に成長しています。


同じく共演のエズラ・ミラーは「パトリック」を演じます。この役は、父親が再婚したことで、「サム」の義兄となった少年です。関心のあること以外は手を抜く秀才ですが、仲間をやんわりまとめていく不思議なリーダーシップを発揮します。ただし、彼の恋愛対象は男性です。ミラー自身も自分は同性愛者だということを公表しています。6歳の頃からオペラ歌手として舞台に立ち、今作を観て、そのキャラクター表現があまりにも素晴らしいので、今後大いに期待できる俳優であると感じました。彼は凄い!!


 そんな3人が恋愛や学業、家族関係、過去に負った心の傷などに悩みながら成長していく姿を、甘酸っぱく、やや明るく描いた秀作です。


(あらすじ)

 1991年8月、「チャーリー」は中流家庭の3人兄姉弟の末っ子であるが、過去に大好きだった叔母は理不尽な交通事故で、また新学期直前、親友を自殺で失った辛い過去を持ち、来たるべき新学期も憂鬱であった。今期、彼は高校1年を迎えるのだが、十代で最も過酷なこれからの3年間をここで過ごす覚悟は今ひとつである。新学期開始後、もともと学業に関しては全く問題のない秀才の「チャーリー」の頭の中は、新しい友達作りのことでいっぱいであった。

 そんな中、たまたま技術科目の授業で一緒になった、最上級生の「パトリック」と、母校のフットボールチーム「デビルス」の試合観戦中に、意気投合したことで、「チャーリー」の高校生活は一気にその展望が開ける予感を得ることができる。また、彼の義妹「サム」と知り合ったことで、彼女を憧れの異性として意識できるようにもなる。さらに、国語の担任となった「アンダーソン先生」との文学的交流を通して、自分の才能に自信を持てるようになる。

 これから3人を始め、多感な高校生たちは、熱くて“甘酸っぱい”新学期をそれぞれの想いを秘めて、歩んで行くのであるが・・・「チャーリー」には親にも話せない幼少期のトラウマがあった。