『スーパー!』(原題:Super /2010年トロント映画祭、アメリカ/96分)
監督脚本:ジェームズ・ガン
製作:テッド・ホープ、ミランダ・ベイリー
製作総指揮:レイン・ウィルソン、ランプトン・イノックス、マット・ルートワイラー
音楽:タイラー・ベイツ
撮影:スティーヴ・ゲイナー
編集:カーラ・シルヴァーマン
出演者:レイ・ウィルソン、エレン・ペイジ、リヴ・タイラー、ケヴィン・ベーコン、ネイサン・フィリオン、マイケル・ルーカー、グレッグ・ヘンリーら
100点満点中79点
超能力を持たない“一般人”ヒーローを主人公にしたブラックコメディ作品。
2010年早々に公開した「ディフェンドー」や「キック・アス」の着想に酷似していますが、ややヴァイオレンス色が強く、ブラック・ユーモアの効いた点で一線を隔すヒーロー作品です。
2010年にトロント国際映画祭でプレミア上映され、翌2011年4月1日にアメリカで劇場公開、同月13日にビデオ・オン・デマンドで配信されたということです。今回、私はCATVのムービープラスHDの配信で拝見しました。DVDやBDも出ているようですが。
出演者の豪華さが目を引く作品でもあります。
監督のジェームズ・ガンはミズーリ州セントルイス生まれ、俳優のショーン・ガン、俳優で作家のマット・ガン、プロデューサーのパトリック・ガン、脚本家のブライアン・ガンは兄弟です。今作に至るまでは、コメディタッチのゾンビ作品の脚本を多く手掛けていました。
主演のレイン・ウィルソンは製作総指揮にも名を連ねていますが、ダークヒーロー「クリムゾンボルト」こと、ダイナー(定食屋)のコック「フランク・ダルボ」を演じています。彼は『Gガール 破壊的な彼女』(2006年)、『JUNO/ジュノ』(2007年)、『トランスフォーマー/リベンジ』(2009年)等でバイプレイヤーとして活躍しています。とぼけた人物を演じることを得意としています。
相手役「サラ・ヘルジランド」役はリヴ・タイラーが演じ、薬物依存から自分の本当の生き方を見失ってしまう妻です。
「クリムゾンボルト」の理解者「ボルティー」こと雑誌の販売員「リビー」を演じるのはエレン・ペイジ。小柄な彼女は、ロリ系ヒロインにぴったりですね。『ジュノ/JUNO』で主演し、ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を獲得した名優です。今作の役では、ラスト近くで悲劇に見舞われるのですが・・・
憎き敵役「ジョック」はケヴィン・ベーコンが演じます。あの悪そうな外観に、ややパンクなオーラをまとい、いかにもドラッグで地域の裏社会を駆け上がってきた風です。「フランク」の妻「サラ」を定食屋で見初め、薬物を使って蹂躙し、自分の女にしてしまいます。
主人公「フランク」は、こんな理不尽な状況を打破しようと、法令を無視してでも小さな“悪”から大きな“悪”まで、その手で潰してやろうと決意します。
(こんなアニメも冒頭挿入されています。)
(あらすじ)
「フランク」は、定食屋のキッチンに立つしょぼくれた青年であったが、彼の妻「サラ」は超ド級の美人である。彼女は過去にたくさんの不幸を経験し、この定食屋のウエイトレスとしてこの町にやって来たのだ。「フランク」は、彼女を一目にて、電撃のような啓示を受け、交際を申し込み、彼女もそれに応え結婚へと進んで行ったのだ。ところが・・・
しばらくすると、「サラ」は昔の悪い癖が出て、ドラッグに溺れる日々を送るようになり、悪い仲間を家に引き込んだり、外泊が続くようになる。
そんな、ある日、自分の食事を作っている「フランク」のもとへ、麻薬ディーラー「ジョック」が訪れる。そして、「サラ」への伝言として・・・
「ジョックが来たと伝えてくれ。」
次の日、「フランク」の留守中、「サラ」は出て行った。
警察に相談しても、夫婦不和による家出として扱われ、“事件性なし”との判断である。
「フランク」はどうしても、「サラ」を諦めきれず、「ジョック」の経営する飲食店の前で待ち伏せするが、ボディーガード達に排除されてしまう。
「フランク」は、TVのヒーロー番組を観て、その夜、神の啓示のような奇妙な体験をすることで、ダークヒーロー「クリムゾンボルト」として悪に立ち向かう決心をする。コスチュームを自作し、右手にレンチを武器として持ち、夜の通りで、麻薬の売人相手に鉄槌を下すようになる。
また、彼の理解者として、この活動に参加する「ボルティ」も登場し、妻「サラ」奪還のため、麻薬ディーラー「ジョック」の邸宅を襲撃することにするの
だが・・・














