酷評される方々も多いですが・・・映画『SUPER 8/スーパーエイト』 | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『SUPER8/スーパーエイト』(2010年アメリカ/111分)

監督・脚本:J・J・エーブラムス

出演者:ジョエル・コートニー、エル・ファニング、カイル・チャンドラー、ライリー・グリフィス、ライアン・リー、ザック・ミルズら

100点満点中87点


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 1979年にアメリカで実際に起こった事故を引き合いに、アメリカ政府がひた隠しにする秘密と、映画撮影に夢中になる少年たちが真実を暴く冒険と成長を描くSF怪奇作品。

  

    といってもあまり怖くは無い!

 
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 1979年のアイオワ州の小さな町に、8mmを使った自主映画製作に夢中な少年たちがいる。どうも学区内で「映像作品コンテスト」らしきものが催され、もともとゾンビものや怪奇作品が大好きな少年たちが集った様子。

 
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 やや親分タイプの「チャールズ・カズニック」監督で、チームを引っ張るが、やや横暴なところもある。主人公の「ジョー・ラム」は警察官の息子で、どちらかというと気弱なオタクタイプ。フィギュア製作が得意なことから、メーキャップと美術を担当する。小柄で歯科矯正中の「ケアリー」ゾンビ役をこなすが、火薬に詳しくいつも自作の爆弾を持ち歩く。カメラ担当「マーティン」は、緊張するとすぐ嘔吐してしまう。そして、この仲間に 不良の父を持つが、学校の中でも、大柄で大人の美貌を持つ聡明なヒロイン役「アリス・デイナード」が参加し「チャールズ」が描く作品のキャストとスタッフが勢ぞろいする。

 ただ、多感な少年・少女たちなので・・・あの甘酸っぱい「感情」が、早くも「ジョー」に芽生えてしまうのだが・・・


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 この作品で驚くのは、冒頭から中盤まで観るうちに、主要登場人物のキャラクターが、しっかりと鑑賞者の頭に入ってくることです。地味なキャラ設定なのにもかかわらず、不思議とすんなり。


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 この自主映画製作隊は、「ロメロ化学会社の汚染物質によって、人間がゾンビ化する」というテーマのホラーサスペンスを撮るべく、深夜の小駅でロケを敢行することにする。深夜、家族には内緒で・・・また、無免許の「アリス」の運転で、意気揚々と夜間無人となった駅に乗り込み、そのホームで撮影を開始する。彼らの中では、とうに終電は通過し、電車は来ないはずだったが、予期せぬ貨物列車の到来に嬉々とし、通貨列車を背景に撮影する事に、場面変更してしまう。(これが、自主映画のいいところ。予測しない状況をいとも簡単にシーンに組み込んでしまえる安易さがある)


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 「チャールズ」の号令で、これ幸いと撮影に入る一行であるが・・・列車進行方向から、一台のトラックが線路内に進入し、列車の進路を妨害・衝突し、列車は脱線・横転してしまう。昼間だったら大惨事の爆発と炎上する大事故へと、辺りを一変させてしまう。当然8mm隊は、散り散りに逃げ惑う。横倒しとなったカメラを回したまま。そんなパニック状態の中で、「ジョー」は貨物車両から、大きな何かが這い出るのを目撃し、「キューブ状」の軽金属を入手する。一行は駅周辺に散乱した列車の残骸にすばらく呆然とするが、さほどの時間を置かずに警察と消防が出動して来たことに慌てて、「アリス」の車に飛び乗り、その場を後にする。(だって、深夜の無断外出とアリスの無免許がバレるもの)


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 その後、ガソリンスタンドを始め、奇怪な失踪事件がこの町を襲い、軍隊の登場となって行く。


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 ここまで観ていくと・・・なんだかー 懐かしい作品に再開したような感覚が込み上げて来るのは、私だけなんだろうか?

 

 こっから、「怪物」の正体が徐々に明らかになっていき、メンバーの一人は虜となり、「ジョー」は救出に向かうのですが・・・

 

 あの懐かしい1950~60年代のアメリカのTVドラマや怪奇・怪物映画のオマージュたっぷりの展開なんですね。これが

 巨大生物や異星人、モンスターの襲来で町中が大パニックとなるあの往年の筋書きが、この作品にはある。

 
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 このパターンに没入できない方々には、ツマラン作品になりますが・・・私みたいに「大好物」な人間にとっては、傑作』となるわけです。

(↑や↓の事を多少知っている人は、うなずけるハズ)

 
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 また、稚拙であっても、映像製作に没頭する少年たちのひたむきさと衝突が何とも微笑ましく、つい応援する気持ちになってしまう部分も、この作品にのめり込んでしまう理由なんですね。 


 また観たくなったー