『ドッグ・ヴィル』(ニコール・キッドマン主演) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『ドッグ・ヴィル』(2003年デンマーク/177分)

監督・脚本:ラース・フォン・トリアー

出演者:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、ベン・ギャザラ、フィリップ・ベイカー・ホール、ジェイムズ・カーンら

100点満点中77点


イーグルドライバーのブログ

 舞台は、1920~30年代大恐慌時代のアメリカ、ロッキー山脈にほど近い小村「ドッグヴィル」

 予備知識が無いと、作品スタートから「えっ」と鑑賞を躊躇したくなる設定です。

 

 この世界観は、観た者でないと、どんな言葉を弄しても他人には伝えられない『異質』さがある。


イーグルドライバーのブログ

 鑑賞者の精神を、「じわじわ」と追い詰め、重圧を懸けて来る。

 

 ニコール・キッドマン演じる「グレース」の美貌と色香に酔っているうちに、画面から離れられなくなり・・・底なしの流砂に足を捕られて味動きできなくなる『金縛り感』のあるサスペンス・スリラー。


イーグルドライバーのブログ

 観客側が、ストーリーを押してやりたくなるような、スローな展開と「章」で区切られる作品構成ながら、ストーリー進行を先回りして、沢山の伏線的「流れ」を自らの頭脳に先んじて描いてしまう「余裕なき余裕」を我々に与えながら、裏切ったり、期待通りだったりする。この点で、他に類を見ないスリラー作品となっている。


イーグルドライバーのブログ

 「息苦しくなるようなスリラー作品」



イーグルドライバーのブログ

 「残虐なシーン」はなく、「性的虐待シーン」も控えめながら・・・中盤まで観ていくと・・・中身の「陰湿さ」「陰険さ」「陰惨さ」に戦慄すら感じる展開。

 ラストシーンでどんな幕引きをすべきかを、観る者が念じてしまい、その通りの結末なら「溜飲が下がる」作品です。

 (*ジョン・ハートによるナレーションが登場人物の心理までも事細かに解説するという実験的な作りが特徴的)


イーグルドライバーのブログ