市営とかの生ぬるい室内のやつじゃなく
かと云ってサマーランドとかよみうりランド
調べたら大人3500円とか正気か。ゾゾか。
ゾゾはホテルのナイトプールか。いくらなのか
調べたくない。
もっとこう…塩素と灼けたコンクリの匂いが
鼻をくすぐる…学校のプール。児童さんたち
羨ましい。日々日々ビニールバッグを小脇に抱え
爛々と目輝かせて
校門に吸い込まれてく。それさ大人の事情で一日だけ
貸し切れませんか教育委員会ならびに文科省。
夏が来てプール開きが近づくと、箪笥から
パキパキに乾いたビニールバッグを探し出して
まずその感触を指でなぞって確かめてから、
顔を突っ込むように昨夏の残り香をきこしめして
ガンギマってた
リトルキャプテン。みんなもしてたでしょ。
小中時代の記憶を追うときまって
鯨の竜田揚げだの揚げパンだのと云いたれるやつ
オレが給食で唯一尊かったの牛乳だけだったし。
授業は時計の針を見つめつづけるだけの苦行だった。
あの日に帰りたい?夏のプールにだけ帰りたい。
女子のナイロンになんて見向きもしなかったし、脇に
はりついた縮れた謎のクサのようなものにこの世の
終わりを告げられもした。それより水素と塩素が
くれるツンとくる酩酊と狂騒。まるであの世のよう。
未来の大人たちの覚醒機会を奪うのはちょっと。
じゃ夜はどうかな。
ナイロンもひんやりと火照った肌もコミコミで
手ェ引いてもらって夜のバタアシ。キマるな。