山田太一断筆だって。いや、もはや
老害の各局たらい回しだったし…
遺すもんは遺してくれた。
ドラマたち。オレたち骨になるまで
それを高楊枝代わりに生きよう。
Living high
with 山田太一。
不倫パンデミック。てかそれを暴き
裁き八つ裂きにし吊るし血祭る
ヒステリック。きっとみんな恋という
一文字を知らない。倫があろうと
なかろうと己のよろめきを制したり
戒めたり律したりできなくなるのが恋。
ないのかほんとに?したこと。誓うか?
なあ?
オレはこのドラマ『岸辺のアルバム』の
薫陶を受け、『青い鳥』(駅長さんのほう)や
『失楽園』で瑞々しく仕上がった世代だよ。
あと『金妻』とか『危険な情事』とか。
1977年はやっと精通を迎えた頃だったが
あの八千草薫がだよ?
あの貞淑を絵に描いたような
八千草薫演じる和泉多摩川の人妻
田島則子が
「月に二度くらいですか?」一本のエロ電に
よろめきつまづき雑談→密会→ラブホ…
の急滑降。そら女たち、私も私もってなるよね。
男たち、八千草薫というベントレー並の超々
高級車がタダ乗りできんだったら隣や職場で
雨ざらしになってるカローラは楽勝だろ
とほくそ笑んでも無理はない。かくして老若男女
沸々とええじゃないかが蜂起。
そういう必要悪というか不可抗力?
べっとりと刷り込まれた世代。人のもんが
羨ましい、妬ましい、嫉ましい、美しい。
人が喰ってるペヤングに食欲が発奮するのと
ほぼ同じチップをこめかみに埋め込まれた。
道徳心はいつでも着脱可能。
これ前にも書いたけどとても大事なこと
なのでもう一度書き起こします。
「ブルーの花柄のワンピースを
持ってらっしゃいますね…地は白
だったかも知れません。七月の
初めに着てらっしゃった…」
「上りのホームに立ってらっしゃるのを
下りのホームから見たのです。いいなあと
思いました。ドキリとしました。ある
年齢の女性の良さがこれほど綺麗に
ひとつの存在になっていることに、大袈裟
でなく胸を打たれたような気持ちでした」
竹脇有我無我がゆわすゆわす。
言えんのか?お前、無我の境地で
淀みなく…言える。
余裕。人は高楊枝のみでは生きれんの。