リンダ
リンダ
リンダ
が、かえすがえすも素晴らしい。何度観ても瑞々しい。
汲めども尽きぬ泉のごとし。多くの青春映画が退屈なのは
ドラマチックとキラキラを盛りすぎてるからで、じつは
リアルな十代は空腹で吐き気を催すほど虚ろじゃなかった?
この映画のように。馬鹿ではしゃいで強がってみても
気が遠くなるような孤独と隣合わせだった。だから観るたび
この映画のがらんどうが刺すように痛い。きょうはケイの
ひざが入っちまった。

誰が好みかと問われたら、即答で凛子。
リンコリンコリンコ。三村恭代三村恭代三村恭代。
でもそれは『バトルロワイヤル』や
『チルソクの夏』が後追いでやってきて、追い抜きざまに
置いていったトラウマかも。だから香椎由宇が脳天を
突く日もありゃあ、ペ・ドゥナで窒息しそうな夜もあるんだ。
だからこれは名画なんだぜ、と自分に言い聞かせるように
ニューシネマや古いフランス映画を何度も繰り返し観ることで
血肉化しようと足掻いたのとは別次元で、何度も何度も何度でも
これを観、これを切り、これを語る。そんな数少ない作品だ。
企画倒れかと、万策尽き果てたとこへの

当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったペ・ドゥナ主役起用って
まさに起死回生は…うん。映画の神様っているんだな。