タイトルが嫌だった。鴨川ホルモーとか
TOKYOてやんでぃ、とか。あ、てやんでぃは
中身はオレに邦画への執着を与えた偉大な
邦画史上五指作品か。
とにかく虫が好かない。林檎姫の
『御起立ジャポン』
とかそういうのとは次元がちがう。映画には映画の
矜持ってもんがあるんだぜ。美しくあれよもっと。
と思ってたらこれは西原理恵子原作だった。観ます観ます観ました。

よくできた話だし、どうせ寂れた漁村のてんやわんやと
泣いて笑って糞して寝る話でしょ、と決めてかかった
オレに下される、小さな罰のようなきっついエンディングも
きょう一日、引きずるくらいの鈍い痛みをくれたんだけど
どうも西原ワールドのタイムレスな寂寥感、透明感には
程遠い。

このよるべなさはない。そらキャプテンあんたが
菅野美穂嫌いだからでしょ?いや断じてちがうんだな。
チオビタの、すっぴん(風)の菅野美穂が距離感なく
顔を近づけてきて、実際にはそんなに需要がない
癒やしてあげるよキャラを
押し売ってくる、あの感じがたまらなかっただけ。
菅野美穂は好きでも嫌いでも…でもいつも通り観始めた
時点で昂ぶりはじめる。製作の思惑に足をとられる。
鑑賞後NUDITYを遡ってみる。
全然好ましい。てか嫌う理由がいっこも見当たらない。
ぶっちゃけ江口でてなきゃ千倍は名画だったって話。