パリのエストニア女 | キャプテンニッポンのソウル温泉

キャプテンニッポンのソウル温泉

ウォンチュー,スリー,フォー,ファイブ,セックス,ヘブン!


原題はそう。それが『クロワッサンで朝食を』?
舞台パリでしょう?女性目線でしょう?それも
トリュフォーやルイ・マルをかじったインテリ入っテリ
な。ジャンヌ・モローだもの、これで押しましょう?
って配給元の広報お局的な、ざっくりなマーケティング。
安く見積もられてるよ、アンタら女性陣。そんな邦題。


『突然炎のごとく』や『死刑台のエレベーター』の、あのジャンヌ・モローが
醜く老いさらばえた姿をさらける、その凛々しさときたらもう…
みたいな論調みたいです港では。や、巷では。まあそこはそれとして



僕がもっとも観賞を切望した映画です。


タイトルやジャンヌ・モローではテコでも釣られぬ
僕を、この渇望へとミスリードしてくれたのは




この表現。


トリュフォーやルイ・マルへの恨み辛みや
糞邦題の深くて暗い谷を、案ずるより先に軽々と
飛び越えさせてくれた。エストニア人初老女優
ライネ・マギの惑いと揺らぎを
しゃあしゃあと代弁、断言しちゃってるし。



いやいや疑う余地なくおかしいですよこれ。


気が遠くなるほどフェティッシュな、映像による
性癖の吐露だ。
遠くエストニアの若き鬼才、イルマル・ラーグ。
知らんつーの(笑)でも54歳のオバハン女優を



詰る詰るカメラで、メンタルをフィジカルを。


「監督、次も詰るように私を撮ってください」