ソウルミュージックは敷居が高いと感じても
これ聴きゃあ誰かと
肌を合わせて
腰のひとつも
振りたくなるんじゃないの?
これが嫌いなら貴方は、貴方の人生はなんて穢れなく
一点の曇りもない清らかな人生を送られましたねと
天国の門番から薄ら笑顔で迎えられるよきっと。
おめでとさん。
リオンだよ伊藤リオンじゃないよリオン・ウエアだよもう。

ゴスペルやブルーズに端を発し、カントリーなんかとの
異種交配を経て生まれたソウルミュージックの究極の
最終形態。塩辛くばかデカい声でンッとかアッとか
ゆってりゃよかったのが、美しさで人を殺めかねない
レベルまで研ぎ澄まされた絶対零度の極北。性急な
パーカッションに鼓動ははやまり、旋回するストリングスは
こちらの動揺を嘲笑うように頭上からオレをつけ狙う。
ぐずついた曇空。部活漬けのルイはめずらしく家にいて。
仕事ができた、とこいつを放置してひとり出かけちまおうか?
なんて誘惑がステレオからまろび出る。へへっ。なあルイ。
「オレ、スリランカ行きたい

いやいやあれは辛くて人生の艱難辛苦を舐めた者のみが
わかれるフクザツな、味覚の詫び錆びなのだルイよルイよ。
「行きたいっ

ちっ、こいつも感染しやがった。