『D坂の殺人事件』
江戸川乱歩、明智小五郎、少年探偵団…
子供の頃から僕が頑なに拒みつづけた世界観。
今もムリ喰えない。少年の、曇りなき瞳と
探究心でナニガシかの痕跡を追い求める
似たようなことはしてんですが、この価値観は
呑み下せない。大正伝奇浪漫みたいの、鬼門。
小五郎の、助手?小林芳雄。


ほら開けなきゃ開けずに済んだ
ものを。最初の爆風で結局、
いくつもの結界が吹っ飛んだ。
他にもいくつか観たんだけどね、基本ホラーの
女なんですよ三輪ひとみって。日がなムリな
一日でした。でもすべての無理を押し通す
それが恋。

ああでもこの乱歩は昔2時間ドラマで天知茂がやってた
『明智小五郎』ぐらいは喰えるな。エロの通過儀礼だった。
…と何かしら懐かしさを噛み締めていたら、この映画
実相寺昭雄だった。まだロックやエロスの洗礼を受ける
ずっとずっと前、僕のまだやわらかな脳に深々と埋め込まれた
最初のチップが実相寺昭雄作品。子供相手にやりたい放題。
感謝こそすれ。

でもこんな舞い戻り方、返す刀で同じ疵の
寸分違わぬところを鈍く穿つやり方には
承服できぬよ。こんな虚の突き方あんまりだ。
またお願いします。