一番列車が行っちまった
二番列車も行っちまった
三番列車もとっくのとうに
もうお前を待ちくたびれちまった
Rufus Thomas 'Memphis Train'

プレスリーにせよ、ポール・バタフィールドにせよ
シュプリームスだってジャームッシュにしたって
ロバジョンも、グラディス・ナイトも、クラッシュも…
あの忌まわしい16両編成の列車は
別離か失望か、死か、いずれにせよ喪失のメタファだ。
栄光に向かってはなかなか走らない。そのくせ線路は
つづくんだよどこまでも。この世の果てのずっと先。
友の死。ゴキゲンだけどゴキゲンなだけのやつじゃ
なかった。およそ生活臭のない男でね。オレに
「アンタいつ寝てんのよ?」と人の更新時間を笑うくせに
未明の投稿に真っ先にタッチダウンしてくんのは大抵
彼だった。拙ブロを「ヘッドブログ」(頭のイカれた?)とか
クサすくせして、結構古い投稿まで遡って意味なんてない
発言の、わずかばかりの真意を反射神経で汲んでくれた。
「根無し草」と呼んだら彼にはほんとに帰る家が
なかった。いい人だけどいい人だけのやつじゃない。
「お前出すぎ(笑)」とママさんブロガーみたく
自撮り画を繰り出す彼をナルちゃん呼ばわりもしたっけ。
でも彼には彼の、列車のライトの明滅が見えてたの?
この世界が少し生きにくそうにも。自由すぎて。
深夜特急でイチ抜けたぜ
得意気にきっと高笑ってら。賑やかにやろう。