奇母哀落 | キャプテンニッポンのソウル温泉

キャプテンニッポンのソウル温泉

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小学校の教室で、コンパスの針を机に突き立て
ああこの密やかな穿孔が天板の裏側まで貫通したら
どんなにか素晴らしい…とこりこりコツコツ少しづつ少しづつ
針を木目に抉じ入れていって、届いた瞬間の


あの恍惚。



裏側から指の腹をあて、針先を感じた時のあの。


システムを向こうにまわし、向かい風に仁王立ち。
次の授業のチャイム、先生は先に教室にいて
教壇上に天板をこちらに向けた机。オレの机はない。
「はい、これは一体誰の机でしょうか?」
穿たれた孔が銃口のようにきっかり黒々とオレの額を
狙っている。休み時間、わずか十分間の天下布武。



公開処刑。


その時、八つ裂きにされたはずの十分王はいまだ
オレの中に鎮座ましましていて、誰かが顰める眉だとか
ひそひそと耳に入ってくる嘲笑いとかが大の好物らしい。
安達祐実とその母有里を生贄に差し出したのは
他ならぬあの日進退窮まってうつろな眼をしてたオレ。
とあの日の断罪を生き延びた王の亡霊。次は誰の番?


誰を救って、また貶して差し上げましょうか?
大橋のぞみでしゅか?



「いやでしゅ!」