氷雨夜のりりィ | キャプテンニッポンのソウル温泉

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ウォンチュー,スリー,フォー,ファイブ,セックス,ヘブン!


夏の終わり、長月初めに僕を
フォークジャンボリーよもう一度的な
ちょっと気が退けるコンサートへと
とてもとても断る選択肢など与えない圧力で
誘ってくれ、僕に生りりィを見せてくれた
職場の長老は、休憩の喫煙所ではきまって
ビートルズとザ・フーはどっちが偉大か、って
終わりなき鍔迫り合いを繰り広げる温厚な兄と
頭でっかちな弟的な関係で、ウィキを貪って
半可通をきどる僕にいつも「まいったまいった」
と負けてくれるのだがほんとうはとんでもない
あの時代を生きた先人に勝てるはずがないのだ。
「ハンブルグのビートルズはまあまあだね」
憎まれ口ばかりきいた。僕は恥知らずだ。



長老は春を待たず退職する。



長老にはまだ聴かせてなかった。

りりィの、幻の『時の過ぎゆくままに』をまだ一度も。
どう考えてもザ・フーのほうが偉大だ。揺るぎない。
でも別れは辛すぎだ。また大事な物が手をすりぬけてく。


でもビートルズはハンブルグにかぎるよ長老。