スコセッシをもう一杯。『ラストワルツ』なら
何万回も観た。過去のフッテージをフリーハンドで
散りばめてゆくやり方は、忘れがたきジョージの
『Living In The Material World』でもそう。件の
『No Direction Home』でもそうだった。肌が合う。
スコセッシの躁病質は相変わらずで。
やれミックがステージセットを気に入らないだの
セットリストが届かないだの、まるでつれない女からの
思わせぶりな無反応に平常心を蝕まれてく半狂人だね。
スコセッシからの懇願。
じつに趣味がいいが全ソデ。まあ演出なんだろうけど
実際のセットリストがスコセッシに慌ただしく届く
その刹那、キースのガッガーガが
舞い降りるその狂おしさ。あ、オレ出ちゃったわ(笑)
ひどいバランスなんだよね。ギターの音、馬鹿デカくて。
オラオラとつんのめりながら入ってきてお構いなく
もたる。走る。もたる。キース、老害以外の何物でもない。
オレは今までライブでのこの歌に合点がいったためしが
なかったがこれでいい。まとまるより。
あ、まとめんだ。丸腰で朗々歌うキース。
結論、予定ダダ崩れでも神は降りてくる。
それがスコセッシング。