粋をわきまえぬ野暮天なもんでね
所謂江戸前の名店で鰻なんぞ一度も。
きょうは野暮用でね、野暮だけに。
雷門あたりじゃ評判の、色川さんの「たっぷり」
ってえのかい。「ふつう」と「たっぷり」。
三千円と四千百円。きょうは訳ありなもんで。
どうせ罪深いなら大いに罪深いほうを。
ああうまいようまい。炭火の憑依したミクロンの
被膜の下にいけない脂をなみなみと湛えている。
唇で決壊したそれを舌へのどへ胃へ五臓六腑へそそぐ。
速やかな証拠隠滅だ。五分もかからんね旦那方なら。
大奮発だ。でもきょうはその日だ。
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