DVDやブルーレイがどうだかはさほど
意識してこなかったけど、ビデオの時代が
やってきて以来「赤」の、画面に滲む
あのいやな感じは表現上鬼門だったはず。
フィルムと銀幕にはヴィヴィッドに焼きつけられても
磁気テープとブラウン管ではどうにも暴れて手が
つけられない。ひさしぶりにこんな赤い映画観たよ。
『マイ・バック・ページ』やっと。
暗い街並みや男たちのスーツのどぶ色、鼠色。
血と焦燥と狂気の赤、朱、紅。この心騒ぐざらつきは
予告編や宣材からは伝わってこなかった。そうなら
そうで云ってくれりゃあよかった。この映画は敗戦側の
アメリカン・ニュー・シネマ最新作だったってわけだ。
「泣ける男の人が好き」

僕がこれを避けて通る理由は何一つなかった。
だって今の僕はあの頃よりずっと。ずっと。
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