最高の映画は?と問われたら
迷わずこれを挙げます。
何度も語ってきましたが、とても
語りつくせません。書いても書いても
人っ子ひとり訪れることがなかった
拙ブロへの、最初の訪問客のひとりとの
かけがえのない交流が生まれたのも
この映画がきっかけでした。一度書く意味を
見失い、もうやめやめ、と心が完全に
ねじ曲がりねじ切れたその瞬間、その刹那
カウント2.9で脳裡を駆けぬけた
のもこの作品で、足を向けて寝られません。
昔、バイトをしていた世田谷観音のビデオ屋で
閉店後、ただ何となくこれのビデオを流し
ひとりぬるいコーラを啜りながら、ラストシーン
気がつけば声をあげて嗚咽して、もういちど
頭まで巻き戻して観て、真夜中すぎの茶沢通りを
泣き腫らした目で、でもなぜか軽快な足どりで
肩で風切るように歩いて帰った夜を忘れない。
これを観てくれないか。興味を示さなかった人も
いる。興味があるふりをして貸したビデオを
観ずにしかも返してもくれずに永遠に疎遠になった
人もいる。でもこの陳腐な世界観を受け入れ
愛してくれた人との間には共通言語が生まれた。
「ガードナーはオレなんだ、お前もガードナーだ」
『ファンダンゴ』。冒頭13分。
興味を持ってくれて何とか借りるなり買うなり
これを受け入れて愛してくれたら、幸いです。
イッツ・フォー・ユー。うん。同胞よ。
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