365日で何番目かに重要な瞬間を
みすみす見過ごすところだった。
ありがとう原田大輔。山田太一ドラマでした。
ここ読んでも読まなくてもいいです。CXHPのあらすじ。
文化人類学の教授を務めていた春川高史(渡瀬恒彦)が、カラオケ店の店員を装って「一人でカラオケをしている歌い手」を捜していた。年齢も性別も関係なく、高史の基準でいいと思った人を数人集めて「コーラス隊」を作りたい、というのがその目的だった。すでに何人か集まっている。みな、年齢も性別もバラバラでどんな生活を送っている人なのかもわからなかった。
高史の妻・茜(いしだあゆみ)は音楽一家に生まれクラシックに精通していて、今もヴァイオリン教室をやっている。そんな妻にも仕事をリタイアした今だからこそ、何も言わせず好きなことをしたい。そういう思いからのコーラス隊の結成だった。
カラオケ店でコーラス隊のメンバーをスカウトしている中、ある日高史は、松木伸次(瀬戸康史)という青年と、自分と同年代の井形俊也(柄本明)に出会う。高史は俊也を即スカウトするが、なぜか伸次はスカウトはしなかった。
すぐに高史は稽古場へ俊也を連れて行き、すでにコーラス隊のメンバーになっている面々に紹介した。すると、後日俊也は自分の妻・加代(鳳蘭)を稽古場へ連れてきた。妻はピアノが弾け、加代のピアノに合わせて、メンバーが歌った。歌はバラバラだった。が、活力があり、みな、楽しそうだった。きっと、このコーラス隊はうまくいく…かのように見えた。
カラオケ店でスカウトを続ける高史は、青年・伸次と再会する。自分につっかかってくる伸次を、高史は稽古場へ連れて行く。そして、スカウトされなかったことに不満ながらも、伸次もメンバーに加わった。
その時だった。高史のところに、俊也の妻・加代が急死したという連絡が入る。つい数日前、みんなの前で素晴らしいピアノの伴奏を披露したばかりの、あの加代である。葬儀の後、俊也は高史の家に入り浸るようになった。妻のいない家に帰るのがツライのだという。
そんなある日、コーラス隊のメンバーの1人、村崎秀美(中越典子)が練習の途中で出て行ってしまう。秀美の相方の藤上由紀(伊藤麻実子)が言うには、高史が秀美に下心があるのではないかと気持ち悪がっているのだという。また、桂葉結(キムラ緑子)ら他のメンバーも離れていった。このコーラス隊の目的がわからないという。
傷ついて高史が家に帰ると、今度は俊也が当たり前のように自分の家にいて、食事を作ったりしている。高史はたまらない気持ちになって、俊也に不満をぶつけた。いくら妻が亡くなって悲しいからと言って、他人の家に何日も平気で泊まるなんて、非常識じゃないか、と。しかし、その不満をぶつけ、俊也とケンカすることで高史と俊也の間には本当の友情が芽生えた。
そして俊也は、高史や稽古場に来ていたメンバーたち、そして茜にあるお願いをするのだった…。
…なんて劣悪なアウトライン。でも頑張りましたね。
太一ドラマの数十行化なんて柿本人麻呂でもムリ。
そもそも山田太一って人は、近年は特に局のご意向や
何か掲げとかなきゃな、的な大義名分を嘲笑うかのように
生理に反する異物を盛る作家だ。変態、と云ってもいい。
「バナナの天ぷら」とか。だから深いメッセージを
無理に汲み取ろうとなんかしない。この人は反射神経で
現実と非現実をマッシュアップしてる、我想うに。
ドラマは所詮ドラマで、論語や道徳のテキストじゃない。
必然性のない玉突きゲーム。笑えばいい泣いてもいい。
中越典子か。正直、食のすすまないタイプだが。
つまずく予感もある。ファンタジスタの未必の故意に。
明日7月19日(金)21時~22時52分フジテレビ、です。
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