二十歳の頃から荻野アンナが好きだった。
「あら、あんなおばさんが?」と生みの
母も懸念を示すほどに。アンタよりは若い。
そんな性癖がどこから来てどこへ向かうのか。
その頃は知る由もない。今も。外国人やハーフに
野心なんて誓って無い。我が国のお茶の間は
大体、ハーフのタレントに迎合しすぎじゃんか。
そんなプチウヨ的な憤慨は棚にあげて、オレは
荻野アンナが好きだった。愛はいつだって
国境を越え、非常線を突破し、大前提を覆すんだ。
凍えそうな駄洒落に辟易したって。
ミュージカルやオペラに連れ出されたい。死ぬほど
退屈な歌舞伎やバレエの観劇へ強引に誘われたい。
飲めもしないワインとチーズのマリアージュについて
眠りに落ちるまで聞かされたい。その肩に頭を預け
涙と涎で濡らしたい。その肩。いいかな。少し甘えて。
そんな下級騎士の夢はこっから湧き出づるのか。
アンナ王妃のかぐわしき手。大丈夫。オレはオレは
どんな鼻の曲がりそうなチーズでも全然平気です。
どろどろに腐れ落ちそうなブルーでもウォッシュでも。
嗜好が完熟へと加速。武井咲なんて、てけぼりだぜ。
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