プルー あれからぼくは
いろんな街で小鳥のように
優しい指をさがしていた
おまえになら哀しみさえも
夢のように話しただろう
プルー おまえと生きた
短かい夏を写真のように
ぼくの胸にひろげてみる
栗毛色のおまえの耳から
空のような匂いがした
プルー だれに逢っても
どこかにいてもさびしいのなら
今もおまえと暮らしたい
ゆくえの知れない子犬のプルー
なんでも話して聞かせた
ぼくのプルー ぼくのプルー
岩崎宏美 『ぼくのプルー』
君のいない二番目の季節。愛しきものとの
愛しき日々を、笑ってなんて振り返れないよな。
どんな失われ方であれ。痛みはかくすこと
できても、消せはしない。騙し誤魔化しなだめて
すかして。ほかのことは馬鹿も馬鹿、大馬鹿で
鈍感なくせに、失くしたものを嘆くとき
五感は研ぎ澄まされて、鋭く光るナイフのようだ。
仕事や他人の痛みは適当にやり過ごせても
自己憐憫には前のめりに貪欲。かよわきオイラ。
みんな。みんなはどうしてるのか。
マーシー。マーシー。Have mercy!
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