ダン・ペンの漆黒 | キャプテンニッポンのソウル温泉

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   「あの頃、おれには38種類の
   声を出すことができた。だから
   どんな感じにだって歌えたんだ。
 ただし、おれ自身の声で歌うことだけは
      できなかったがな」



Peter Guralnick 'Sweet Soul Music'より


ペン特有の、嘯くようなレトリックだと
話半分だった。そらパーシー・スレッジとか
オーティスみたいに、懇願する泣きの声の。

あそこらへんが十八番なのは重々承知してる。
彼の書いた'I'm Living Good'と云う曲がある。

アーサー・コンリーの。オヴェイションズの
ルイ・ウィリアムズの当り芸でもある。ふたりとも
サム・クックのスウィートかつテンダーなスタイルの
忠実なる継承者だ。ルイに至ってはそっくりさんだ。


が、今回のペンのデモ音源を聴いてアゴが外れた。
ペンのガイドヴォーカルはふたりの上を行く。テリブルな
サム・クックの憑依っぷり。頬の内側で声を共鳴させる。

あの感じ。こんな離れ業ができるのかよ?
あのふたりにサム・クックのエッセンスを与えたのは
ペンか。もはや肌の色は何も隔てはしない。神様。


こんな劇物、半世紀近く隠してたのかよ。
リック・ホール。








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