満月が僕の姿を 公園の
円卓の大理石にくっきり写し出し
僕は月と僕等の 三つの関係の
謎かけ言葉を考えて立っていた
愛してるよ 君だけを
愛してるよ 君だけを
君は僕の作った歌を口ずさんで
ピンクのチョークを上手に踊らせて
何十本もすりへらし 汗もふかずに
僕の影をすっかりぬりつぶした
山下達郎 『ピンク・シャドウ』
オレのなかで山下達郎は、ある時期までは
狂気すら感じられるソウルの人。それ以降はその
狂気を巧みに、コマーシャリズムへとシフトさせた
ポピュラーの人。それをセルアウトと云えんのか。
ちょっと憚られるよな(笑)だって売れなかった
認められなかった怨念が、服着て髪のばして。
まだいっぱいいっぱいだったハイトーンをさ
絞りだすように歌ってたんだもの。誰が責められ
ましょかって。それにこの方は…面相がその…
それと関係あるか、わからないけれど異性への
情念は凄まじい。歌に関しちゃ。イケないことが好き。
もっと云や、人のものが大好き。や、歌に関しちゃ。
ブレッド&バターのオリジナルは、血の通った
ちょっとすかした感じのハーモニーだったが。
達郎のこのカバーは、猛り狂うスタッカートに
彩られ、男のどす黒い情念がブスブスと煙をあげる。
そう。これがソウル。シュールで洒落た歌詞だってさ
血生臭い犯行現場を思わせるじゃん超確信犯的なさ。
その煙は絶えることなく、上へ上へと昇りつめ。
結果生き神となった。誰が責められましょか。
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