三十八計逃げても負け | キャプテンニッポンのソウル温泉

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逃避しようっと。いろいろと
面倒が飛来する夕は、もう面倒だ。
勝算もまるでなし、ここは退却。

宵闇銭湯で温度差に呆けたあとは。
カレーカレーカレー、だ。半死人状態で
命からがら16号を駆けぬけ。ああ、あそこ
行ってみようかな。揺れるかな。あの店。


相模原。その名も『マボロシ』。


相模原の市役所あたりは、まるで架空都市で
栄えてはいるがあまり体温を感じない、奇妙なバイブの
土地だ。トリックアートのなかに迷いこんだみたいな。


そんなマドロミ心理下でのマボロシ。


ポークカレー大盛980円+茄子20円。


ザッツ薬膳カレー。辛味、甘味、苦味かな。
香辛料と香味野菜の複雑に薫る。肩ロースのぶつ切り。
まったく煮込んでない。でも柔らかい。青唐辛子は?


「ザクザクして辛味を調整してください」


ふうん。やたら腰の低い、若い主人がやたら
申し訳なさそうに。鬼気迫る。何しろ一皿一皿を
10分近い時間をかけて仕上げる。カレーってさ。


仕込み命、だろう。あとは飯をよそってルゥ。
なのに。憑かれたように鍋を振ってる。ただならぬ
眼光で。まるで命すり減らすみたいに。こんなの。

美味いけど。見たことない。なんか畏れ多い。
「すみません」?なぜ謝る? 若き鬼才現る。


マボロシの名にふさわしい。揺れた。








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