星空の下の車の中
運転する気にももうなれなくて
全世界との距離を測りながら
シートを倒してあくびを一つ
夢の裏側であんたの瞳を
思い出すたびせつなくて
くるくると変わる信号の色が
たよりなく僕の心を照らし出す
光と風の中の防波堤で
うっとりしながら腰を下ろし
淡いグレーのシャツとサングラスで
乱反射している海を見ていた
夢見る人よ微笑んでくれ
どうすればいいのか言ってくれ
あやしく咲き誇るバラのような
その唇でキッスをもう一度
ほどけた靴紐と汗のにおい
ガソリンスタンドの白い壁に
スプレーで書かれたらくがきさえ
ささやく詩ぐらいもっているんだろう
よっぱらった天使が宙に舞い上がる
ニッケル鉱山を飛び越えて
ドクターペッパーをいつも飲みたかった
キャブレターの中で言葉は泣くばかり
あふれる情熱をおさえきれず
月の渚で話した夜明けまで
ビールとオーティスで夜をつなぎ
ガウディーとゴッホで意見がくいちがう
あんたが好きだったミロの画集を
今でも少しだけ憶えてる
あんたもいつかまた思い出すだろうか
砂にまみれた夜の息づかい
いつでも時はすぐに行ってしまう
花はとつぜんに散ってしまう
海賊の話を聞かせてくれ
無法者達のうたをうたおう
あんたの中に入れさせておくれ
あったかく濡れたその中に
包み込むような絡み付くような
あったかく濡れたその中に
夢見る人よ微笑んでくれ
どうすればいいのか言ってくれ
あやしく咲き誇るバラのような
その唇でキッスをもう一度
真島昌利 『ドクターペッパーの夢』
マーシーマーシー、オレもずっと順番を。
寛容な許しをずっと待ち望んでるんだ。
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