青春の門 | キャプテンニッポンのソウル温泉

キャプテンニッポンのソウル温泉

ウォンチュー,スリー,フォー,ファイブ,セックス,ヘブン!

中学の頃、読み耽った
五木寛之の小説。まごうことなきセイシュンの
誤解と偏見を怖れずに云えば「性春」の書。親や
学校が教えてくれないことはすべてここから学んだ。

青臭い思春期の通過儀礼。

『筑豊篇』と『自立篇』は
何度となく映画化ドラマ化されていて
主人公の伊吹信介を田中健、佐藤浩市が
相手役の織江を大竹しのぶ、杉田かおるが
信介の両親、重蔵とタエは仲代達矢と吉永小百合
菅原文太と松坂慶子、記憶に新しいところだと
トヨエツと鈴木京香、役所黒木の失楽園組も。

だいたい観たと思う。
幼なじみの織江も、美しき義母である
タエも正直ビミョーなところではあるが
最大公約数的なキャスティングがかえって
こちらの勝手なイメージを投影でき、妄想が
暴走する。した。

田川や飯塚と云った
筑豊の炭鉱都市の情景が詩情豊かに綴られた
小説本編に比べ、不思議と映画での印象がない。

「香春岳は異様な山である」
かわらだけ。ボタ山。イメージが像を
結ばない。いつか行ってみたい。そんな
想いも時が経つにつれ忘却のはるか彼方へ。

一昨日ある方のブログに
筑豊の工場地帯の写真が。記憶が唸りを
あげて逆回転を始める。物凄いスピードで。
山崎ハコのあの歌声がフラッシュバックする。



遠賀川 土手の向こうにボタ山の
三つ並んで見えとらす
信ちゃん 信介しゃん
うちはあんたに逢いとうて
カラス峠ば 越えて来た
そやけん
逢うてくれんね 信介しゃん
すぐに田川に 帰るけん
織江も大人に なりました

月見草 いいえそげんな花じゃなか
あれはセイタカアワダチソウ
信ちゃん 信介しゃん
うちは一人になりました
明日は 小倉の夜の蝶
そやけん
抱いてくれんね 信介しゃん
どうせ汚れて しまうけん
織江も大人に なりました

香春岳 バスの窓から中学の
屋根も涙でぼやけとる
信ちゃん 信介しゃん
うちはあんたが好きやった
ばってんお金にゃ 勝てんもん
そやけん
手紙くれんね 信介しゃん
いつかどこかで 逢えるけん
織江も大人に なりました






うわ。不意をくらった。
そうだ。オレがいまだ中2の煩悩を
捨てきれずにいるのは、第二次性徴の発現に
コレが混ざったせいだ。夜な夜な繰り出しては
川崎線の工場夜景に胸を押し潰されそうになるのは
罪深い願望に身を裂かれるのはコイツの仕業だったか。

寝た子が起きて、また迷った。暗いボタ山に。






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