ミドル・マン | キャプテンニッポンのソウル温泉

キャプテンニッポンのソウル温泉

ウォンチュー,スリー,フォー,ファイブ,セックス,ヘブン!

ボズ・スキャッグスは輪廻する。


中学の頃は、ハードロック
大好き少年で、そのくせ好きな娘に
あげるテープには、ホール&オーツとか
ドゥービーの'What A Fool Believes'なんかを
姉貴のレコード棚からくすねては吹き込んでた。
『悪魔のドクター・ラブ』とかでなく。
実に小賢しい真似を。

さらにこすいことにB面の
ラストはいつもボズ・スキャッグスと
決めていて'We're All Alone'とか'Slow Dancer'
なんかのバラードで。ビリー・ジョエルとか
クイーンが好きな彼女の上を行きたいと。
自分で書いてて腹立たしい。

何度かの恋を経てソウルなんかを
聴き齧るようになり、リオン・ウエアあたりを
聴くにつけ嗚呼これぞ恋の名場面で鳴ってて
欲しかったと。逝った恋の。



amazonにはなかなかの
ソムリエがいるらしく、リオン・ウエアを買うと
「お気に召されましたか。それでは次はジョニー・
ブリストルなぞ如何でございましょう?」と
痒いところを突いてくる。



ちなみに裏はこんなことに。


へえ。ブリストルは
モータウンの制作サイドの人だったよね。
歌ってたんだ。極甘。飲み頃だよ。
うん。気に入ったよ。


ソムリエ曰く「じつはこのブリストル
AORの祖、などと呼ばれておりまして。かの
ボズ・スキャッグスの'Slow Dancer'は彼の
プロデュースによるものでございます」






時空間が捻れ、中2の恋が
フラッシュバックする。放課後の
視聴覚室、芝生の上、吸い込まれる空。
それは尾崎だ。豊。卒業。



結局、ボズ・スキャッグスは
輪廻する。時のはざまで転生した。
ジェームズ・メイソンの'Rhythm Of Life'が
首都高速湾岸線の公式サウンドトラックだ、と
前に書いたが、川崎線工場夜景Limited Editionは
ボズと、そしてジョニー・ブリストルである。


川崎線の非常停止帯に車を
停めて、銀河鉄道の、三角標の海のような
夜景を眺めていると、どこからか彼女が口ずさんだ
'We're All Alone'が聴こえてくるよう。だけど
それは夜間着陸の、ボーイングの轟音に
混ざってどっかへ消えてった。


中2の恋心は、男子のミゾオチで
永遠に輪廻する。男子は全員、あの初夏の日の
永遠の迷子ちゃん。Can't find my way home…







Android携帯からの投稿