地上最強のリズムセクションは?
と訊かれたら。うん。まずあのふたりは
ご退場願います。ザ・フーのおふたり。
凶暴過ぎますね。そもそもあの人たちの
ベースとドラムは立派にリード楽器ですから。
ではMG'sのふたり?オーティスの
リズム隊、ダックとアル。いい線行ってます。
大好きです。でも上には上がいます。
ザ・バンドのこのふたり。
彼らの曲で踊る酔狂な輩はたぶんいないと
思われますが、その粘っこくてバウンシーな
リズムはたいそう腰にキます。うん。
ベーシスト、リック・ダンコ。
ドラマー、リヴォン・ヘルム。
ザ・バンドの解散コンサートの
模様は、以前紹介したマーティン・スコセッシが
監督した映画『ラスト・ワルツ』において
詩情豊かに綴られています。
ハリウッドの名カメラマンたちを
会場の各所に配置して、計算しつくされた
繊細で美しいアングルが散りばめられた
この映画は単なる記録にとどまらない
スコセッシの名作中の名作です。
実際にはアンコールで演奏された
マーヴィン・ゲイの'Don't Do It'の少し
バッド・チューニングな荒々しいカヴァーで
舞踏会の幕がおごそかに上がります。
そしてタイトルバック。'The Last Waltz'の
タイトルロゴを、盛装した男女がワルツの
ステップを踏みながらくるくると踊り消して
行きます。冒頭からスコセッシ美学が
惜しみなく降り注ぎます。
本題はリック・ダンコ、でしたね。
きょう12月10日はオーティスの命日で
あるとともに、リック・ダンコの命日でも
あります。彼の人懐こく甘い歌声とよく
弾むベースラインが今も大好きです。
僕は君を愛し過ぎた
だから言い出せなかった
君の隣で 堪えがたい孤独を
感じていたことを
太陽はもう僕を照らすことはない
どこへ行こうとおなじこと
'It Makes No Difference'
昔、吉祥寺のバウスシアターで
この映画を観ました。またあんな大きな
スクリーンで観たいけど。
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