オスプレイの岩国荷揚げをめぐり、世論が反発している。原因は改めて言うまでもなく、野田総理自らが、オスプレイの導入に関して、その安全保障上の重要性と安全対策を真摯になって国民に説明していないからだ。先日も岩国市長が上京した際、野田総理は「桃の大使」との面会に時間を裂いて、現地の声を一身に受け止めようとする努力もしなかった。
ゆくゆくは沖縄に配備される予定のオスプレイ。該当基地の普天間では、6つの学校が隣接し、危険背の除去が急務の課題となっている故、住民の不安も大きい。確かに、基地にワザと隣接して学校を作るような都市計画そのものがおかしいのだが、「戦後は焼け野原だったのに住民が基地に近づいてきた」という論理は少し乱暴だ。元々の地権者らが、戦場から避難し、終戦で帰ってきてみたら土地を米軍に搾取されていた。基地の中には住民の代々の墓もあり、未だに申請をして墓参りをしているのが現状だ。
沖縄の心ある住民は、安全保障上の役割に、十分理解を示してくれている。野田総理は、誠意を持って丁寧な説明責任と、受け入れてもらう努力を示す時だ。