先日の「憲法96条改正を目指す議員連盟(以下、96条議連と標記)」における、一連の発言について、正直ここまで大きな事になるとは思いませんでした。

私としては「筋を通したまで」という思いもありますが、それによりご迷惑をかけた方もいましたし、一部分だけを切り取るように報道されていたので、色々と誤解を与えている部分もあるようです。

改めて何が起こっていたのかと、何故私があのような行動に出たのか、考えを述べたいと思います。



そもそも、この「96条議連」は、閉塞感漂う憲法改正議論に対し、突如光明が差したような起死回生の突破口として鳴り物入りで立ち上がった議連でした。

立ち上がり当初から、200人を超える超党派の議員が賛同を示し、衆参の憲法審査会の設置も重なり、「いよいよ改正の道筋が開けるかもしれない」と、櫻井よしこ氏を始めとした有識者からも注目されていた議連でした。

しかし、政党間の温度差が激しく、民主党の議員はなかなか増えて行かない…先日行われた参議院憲法審査会にも出席して感じたのですが、民主党から選出された委員はすべて「護憲派」ばかりで、つまり、真剣に改正を目指そうという熱意や情熱が感じられないのです。

そんな中、国会の閉会中である12/16(金)10:00より、第三回総会が開かれるとのFAXが事務所に回って来ました。講師に「鳩山由紀夫氏を招いて、憲法改正についての考えを拝聴する」とのこと…。

恐らく多くの所属議員は、この時点で「閉会中であるし、鳩山氏の意見をわざわざ聞きに行くことはない」と不参加表明、あるいは秘書による代理出席にしたことでしょう。実際、当日集まった議員は数名でした。

私は前日に宮城県の東松島に復旧状況の確認のための現地視察に行き、仙台泊の予定だったのですが、議連の姿勢に対し一言物申したくて、朝早い新幹線にて東京に戻り参加したのです。

当日も5分前に会場に到着し、講師の目の前の席に陣取り待機しました。

時間を5分ほど過ぎて鳩山氏が来場。

来場した鳩山氏は、自分の締めているネクタイを会場の参加者に見せながら、「衛藤征四郎衆議院副議長に贈られたもので、私にぴったりだ」と笑顔たっぷりに会場の笑いを誘いました。

そのネクタイの柄は、グレイ(宇宙人)がサンタの帽子をかぶっているもので、「宇宙人」と評されている鳩山氏の自虐ネタでした。

これから我が国の憲法問題を語る講師の態度とは思えませんし、しかも彼の宇宙人的妄言にて、どれだけの政治的混乱と国家的損失を被っているのか、全く反省のない態度に私は怒りで震えました。(会場の一部の議員は笑っていましたが…)


さてここで、現行憲法の何が一番の問題点であるかという点に振り返ってみると、それは「国家危機に関する事項が欠落している」という点に尽きます。つまり現行憲法は究極の国家危機である戦争を想定していない。つまり国家の交戦権を否定している9条が、喉元に刺さった最大の棘なのです。

そして、憲法で国防を否定しているため、それを日米安保にて補っているというのが戦後日本の歪そのものなのです。

つまり、憲法問題と米軍基地問題は、表裏の関係にあるのです。
「米軍基地反対!、憲法改正反対!」というのは論理的に矛盾しているのです。

もし、「米軍に出て行ってもらおう」というのなら、憲法9条を改正し、自国の軍隊を保持することを明記して、独自に護らねばなりません。

鳩山氏は米軍の普天間基地移設に対して、「国外、最低でも県外」とできもしない公約で沖縄県民の心を弄び、日米関係にヒビを入れた張本人です。総理在任中に一言でも「憲法改正をして、独自の防衛を目指すべきである」との発言をしたでしょうか? 憲法審査会を早急に開くよう指示をしたでしょうか?

つまり、「憲法問題=米軍基地問題」の方程式を介さない者に、憲法改正を語る資格などないというのが私の考えなのです。

しかも、時期的なものの考慮すべきです。鳩山氏の妄言にて袋小路に陥った普天間基地移設問題。民主党は反省もなく元の自民党案に戻りましたが後の祭り、沖縄の理解も得られない中、米国議会にて米軍再編関連経費を全額カットされ、年末に提出する準備をしている環境影響調査書は宙に浮いてしまいました。

そんな重要な時期に、憲法問題を議論する超党派の議連に、元凶である鳩山氏を招くセンスのなさ…。私はこの点を、事務局に問いただしました。

自民党側の呼びかけ人である古屋圭司代議士からは「鳩山氏の改憲論は、一部参考になる点もある」と取り成す発言があったのですが、やはり納得いきませんでした。
本来ならここで、民主党側の呼びかけ人である小沢鋭仁代議士にも発言を求め「民主党は本気で改憲を目指す気があるのか!」と問い詰めるべきでした。


議連に参加する議員には、温度差があります。特に超党派議連というのは「形だけ入っておこう」というような腰掛け議員も多いのも事実です。

しかし憲法改正をその程度の問題として扱う国会議員には我慢がなりません。
今やらねば、命がけで真剣に取り組まねば、本当に日本国がなくなってしまう…そんな強烈な危機感を
一体どれだけの国会議員が感じているのでしょうか…。

憲法改正には、これからも真剣に取り組んでいきますが、超党派の議員連盟に期待をするのはもう辞めました。

「国賊たる左翼党を徹底的に叩き潰し、政権第一党で2/3を確保する!」それが一番の近道であると思います。